自分は誰からも見られていなかった
この世界では何者でもなかった
自分は誰からもわかってもらえなかった
この世界での言葉は無用となった
自分は誰からも必要とはされていなかった
この世界でたったひとりぼっちだった
自分は誰からもうとんじられていた
この世界では本気で相手にされなかった
自分は誰にも心開かなかった
この世界では借り物の人生を生きるしかなかった
自分は誰ともつきあうことはなかった
この世界での存在は許されなかった
ひとりよがりだった
勝手にそう思い込んでいた
相手にされないとひがんでいた
ひとりで悩みを抱え込んでいた
自分の殻に閉じこもってしまった
周りの戸惑いには全く気づかなかった
ひとりよがりだった
素直になれない自分が嫌いだった
心を閉ざす自分がわからなかった
弱い自分をさらけ出すのが怖かった
だから自分の存在を否定するしかなかった
自尊心を喪失したひとりよがり
世界にたったひとり取り越された
世界は恐怖でしかなかった
〔2022年2月15日書き下ろし。いじめによる自尊心の喪失と自己否定の苦しみは、想像を絶する〕