8月6日、アメリカが広島に原爆を落として、たった1発で約14万人の命とまちを一瞬のうちに消し去った日。9日には長崎に原爆を落として、約7万4千人の命を奪ったんだ。アメリカが、どんなに自分たちのしたことは正しいと言っても、決して許されることではない。けがれのない子どもたちの夢と希望、そして未来を奪ったのは、事実なんだ。
でも、日本はもう二度と戦争はしないって決めたんだ。この日は、日本中の大人たちがこの国の平和と君たちの未来について真剣に考える、大切な日でもあるんだよ。
君は今朝、命を奪われる不安や食べる物の心配もなく目覚めたことだろう。楽しく友だちと遊んだり学んだりすることができるのも、二度と子どもたちに悲しくつらい思いをさせたくないって、大人たちががんばってきたからなんだ。
中には、みんなに迷惑をかける自分勝手な大人、お金もうけのためなら平気で人をだます大人、自分の子どもをひどくいじめる大人、そして苦しんでいる人をあざ笑う大人、そんなさもしい大人もいるけれど、子どもの幸せを真剣に考える大人がたくさんいることを信じたいよね、信じようよ。
君もみんなと仲良く幸せに生きていきたいと思う気持ちを強くもとう。
それが「平和をつくる心」なんだ。
犠牲(ぎせい)になった子どもたちと心をひとつにする日、それが8月6日、覚えておこうね。
〔2019年7月23日。2011年8月6日の道新「朝の食卓」掲載コラムを加筆訂正〕