ここに リンゴが 1個ある
いま お腹をすかせている 二人の子に あげたい
このリンゴを 二人の子に どう分けてあげる?
こう問われて ほとんどは
「半分」
「半分って 真っ二つのこと? どうして?」
「不公平にならないように しなきゃいけない」
納得顔で うなずく みんな
反対する者は 誰もいない 穏便(おんびん)な判断
それって ほんと?
「二人の置かれている状況を 判断の基準に考えてみた?」
そもそも ふたりのお腹のすき具合なんて なんにも説明していない
どっちが お腹をすかせているのか?
ひとりに 事情を話して
「まだ我慢が出来るようなら いまお腹のすいている子に 少し多めに 食べさせてあげていい」
ボランティアって 公平平等では わりきれない 現実的な厳しい対処であること
ボランティアって 弱い立場の人への 奉仕というおもいを 捨てること
ボランティアって 相手のニーズを見きわめて 判断すること
ボランティアって 与えること以上に そもそもの問題に気づくこと
ボランティアって カッコつけずに 自分も助けてって 声に出せること
リンゴ1個のことで ボランティアって面倒くさい?
でも リンゴを1個 ポケットに入れておくだけで
ボランティアって 案外楽しいかもしれないよ
なぜって?
「わかちあう」ってことを 考えるからね
〔2019年8月2日書き下ろし。食糧問題に遭遇する未来への警告〕