憤った感情を 抑えることなく
思いついた 非難のことばを
手元のノートに 書き殴る
過去の自分の振る舞いに
自責の念を ことばに込めて
次のページに 書きとめる
許せないと 思いつつも
そう思う 己の傲慢さに
ノートが 犠牲となる
ふと 何ももっていない
非力な自分が なにをか言わんや
開いたページは 白紙のままに しばらく置かれた
ことばの欠片は
ひとつの絵を 描くことすら叶わず
その力を失い 表現を拒否された
ことばの欠片は
あらがうことのできない 世の中に
その力を失い 瓦解していった
ことばの欠片は
信頼という灯に 照らされなければ
その力を失い 無に帰すだけだった
教育は ことばを介してなされるもの
教育は ことばに生気を与えるもの
教育が 汚いことばの欠片に満ちてきたとき
子どもは 希望を 喪失した
教師は ただの人でなしに なった
〔2019年10月23日書き下ろす。神戸の小学校の実態があからさまになるにつれ、ことばの欠片が散乱し、子どもは信じる大人を失った〕