朝の挨拶

不審者対策で 子どもの挨拶を指導しました
見知らぬ人には 挨拶はしてはなりません
地域事情はお構いなしに お達しがきて指導する
問題が生じたときには 責任を追及されぬよう
管理職は汚点がつかぬよう お達しは常に優先される
異を唱える者は 誰もいない   

突然 挨拶の声が 地域から途絶えた
子どもは従順に 言われたまま行動する
何か起これば 地域の問題で 学校ではありません
何か起これば 子どもの問題で 学校ではありません
リスクマネジメントの基本は 最小に抑えること
徹することが 学校を守ること
子どもや地域は 二の次ですか?

別の地域の住民から 学校に要望がありました
最近子どもが 会っても挨拶しない
学校では どのように指導されているのですか
朝会で 校長は 地域での挨拶励行について指導を促す
担任は 挨拶をするよう学級指導する
地域の要望に 素早く対応 いいですね
この先生 地元には住まいしないで 車で通う
子どもが どのように生活しているのかは ほとんど知らず 
挨拶の実態もよくわからない
ただ上から言われるままに 子どもに伝え指導する
朝 登校する子どもたちは 
教師の走りゆく車の後ろに 立ち止まって頭を下げる
虚しい指導の実態 それすらもわかるはずはない

学校と地域と家庭の連携という常套句
寂れいくマチの ペンキのはげた立て看板
「あいさつ運動」の文字が 虚空に舞う 
するかしないか 学校次第
妙ちくりんな世の中を 子どもは生きるしかないのです

〔2019年11月12日書き下ろし。2つの地方のマチでの2つの対応。地域を見ずして一律指導。地域の子育てにブレーキかけて、これでいいのかな?〕