石狩 江別 千歳 恵庭 北広島 5市
当別町 新篠津村
21日大雪の朝 札幌市北区にある郊外のホテルに
7つの市町村から230名の
新任民生委員児童委員が集まってきた
石狩管内民生委員児童委員初任者研修が始まった
午前中は 「済世制度、方面委員から民生委員児童委員へ」
百年の歴史をふり返るビデオ学習
委員の基本的役割や 活動記録の記入に仕方について学ぶ
まだ就任して1ヶ月半の新任たち
緊張の面持ちで 説明者の一言ももらさぬよう
メモを取りながら 真剣に聴く
2時間の時間は あっという間に過ぎ
31のグループに分けられた会場で
同じ地域の委員との 昼食と会話をひととき愉しむ
午後の研修が始まった
これから2時間 忍従を強いられる覚悟で臨む
従来ならば 学識経験者のもっともらしい講話の時間
家に戻るまでには すっかり忘却の河に流されてしまう話でもあった
ワークショップは
『ふくしとは』の朗読から始めた
出だしから 今までの研修とは 何か違うものを予感させた
貧困にもめげずに生きる 母と子の姿
これからの地域の活動で 否応なく目にする風景
それをこころに刻んでほしいと願った プロローグ
手元に配布された 赤いテキスト 表が青で裏が白いパンフレット
手に取ってもらって 承諾したときの気持ちを尋ねた
赤は 躊躇(ちゅうちょ)なく受けた人
青は 頼まれた人に恩義があって否応なく受けた人
白は したくはなかったが仕方なく引き受けた人
色を上げてもらうと 赤は1割程度 残りは青と白が半々だった
今の心境を尋ねてみた
赤 続けられるかどうか見極めたい人
青 早く辞めたいと思っている人
白 しかたなくあきらめている人
ネガティブな質問だった
どの色を上げても 不安と戸惑いの中にいた
押しつけられた役目に
自分なりの踏ん切りをつけるために
今日の研修に参加したのだ
午前の説明から 想像以上のプレッシャーがかかっていた
とんでもないことを 引き受けてしまったという後悔
果たして 自分に勤まるのだろうかという不安
無理せずにできることから始めてください
そう言われたことが 唯一の救いだった
参加者の不安を 少しでも和らげたい
厚かましく押しつけず
共感を持ってわかり合える
そんな小さな意識の変化を求めて プログラムにした
「情緒は私を支配する。論理よりも強く」
伊藤整の言葉を引いて
その情緒に迫る ワークショップを開始したのだった
※『ふくしとは』:「鳥居一頼の世語り」(175)/2020年1月6日投稿 から引用。
〔2020年1月22日書き下ろし。これは民生委員児童委員初任者研修のプログラムとしては全国で初めて試みたワークショップ。北海道石狩管内対象者の実践の様子をレポートしていく。なぜ初めてかは次回以降明かされていく。主催は公益財団法人北海道民生児童委員連盟である〕