コロナ禍で仕事するため 仕方なく保育園に預ける
緊急事態宣言の中 東京に隣接する横浜市
その中で起こった 市役所の許されぬ失態
「検査の調査結果が出てから」
そんな悠長な対応が 平然となされる
他人事よそ事 通り一遍のマニュアル対応
一体誰がそんな手順を書いたのか
保育士の感染が確認されたのは 8日夜
市は連絡受けて 保護者へは保健所の調査結果が出てからと
翌日の登園を促す
9日早朝 園は保健所の調査を待たず 保護者に連絡
濃厚接触者がいるため 現在休園
12日 市は18人の感染確認 医療機関に勤務するリハビリ専門職も感染
市は「院内感染の疑いが十分にあり得る」と報告
13日に「横浜市私立保育園園長会」が対応改善要望書を提出
15日 12日のような事態がいつでも起こる危機管理体制にも関わらず
市は「園内での感染リスクが高まる状況ではなかった」ため適切と弁明
その日 林文子市長は記者会見で市の対応の誤りを認め お粗末さを披露する
この間1週間 東京の感染者は毎日増え続け
横浜市も切迫していく状況は 手に取るようにわかっていただろう
民間がこんな失態したならば 公権を笠に着て 名前公表 営業停止 厳罰処分
でも市は 正当化の協議に時間を割いて 事態の収拾市長に委ねる
釈明は「濃厚接触者や休園の必要性など正確な情報を伝えるためだった」
不適切な対応には「心配する気持ちに配慮が足りなかった」
子を持つ親の気持ちを逆なでしてまでも
「配慮が足りなかった」とは よく使う決め台詞
そもそも保育の担当部署が
この程度の危機意識しか持ち合わせていないことが発覚
各部署のリスク管理と情報共有の有無が問われる
いつもの改善不能な縦割り行政システム
配慮が足りないのではなく もともと配慮してこなかっただけのこと
責任回避の弁解がましい 心がこもらぬ 役所の回答
コロナ禍で だれもが罹患する危険性を孕(はら)むこの事態
この程度の判断で乗り切ろうとする浅はかさが 行政の行政たるところか
新型コロナの拡散は 油断は許されぬ
感染しなくてよかったのではなく
感染しないように防止する
この一点で 取り組むその最前線で指揮する保育行政の失態
情報操作や隠蔽が疑われるような この根本的な体質は
横浜市役所ばかりのことではないだろう
行政というぬるま湯の中で
文書(条例や規則など)で事務仕事をこなす次元とは全く違う
異なる次元のコロナ禍での事態には 柔軟かつ迅速に対応しかない
正確な情報と事態への具体的な対応が 市民に正しく周知されることで
さらなる深い理解と強い協力が 得られることと心得たい
この教訓を 国も地方公共団体もどのように生かすのか
後手に回って 甚大な被害が出てからでは遅すぎる
子どものいのちを守ることこそ最優先
最前線で頑張る人を ガッツリ応援してほしい
〔2020年4月15日書き下ろし。あえて横浜市の失態を取り上げたのは、コロナ禍での未知なる事態での行政の従来の方法では判断を誤ることがありうる事例として、他の公共団体への注意を喚起したかった。3新聞の見出しと報道時間にも注目を〕
付記
「判断は適切」と横浜市 保育士の感染公表阻止
横浜市の認可保育園で保育士の新型コロナウイルス感染が判明した当日に市の担当者が保護者に感染を伝えないよう園側に求めていた問題で、市は15日、「判断としては適切だったが、保護者の不安な気持ちに寄り添えていなかった」との見解を示した。
市は「保健所の調査を待ち、休園の必要性などを正確に伝えるためだった」と主張。ただ、今後は調査前に休園や保護者へ連絡することを検討するとした。
市によると、保育士が感染した横浜市神奈川区の保育園では、職員37人全員と園児13人が濃厚接触者と判明した。保育士の陽性が分かったのは8日夜だったが、3月30日に発熱や頭痛の症状があったものの熱が下がったため、同31日~4月3日まで勤務。その後は自宅待機していた。(共同通信 2020年4月15日 14時6分)
保育士感染、横浜市が情報口止め「調査結果出てから公表を」 市長が謝罪
横浜市内の保育園で、保育士が新型コロナウイルスに感染したと確認された日に園が保護者らに情報を伝えようとしたにもかかわらず、市が保留するよう求めていたことが15日、明らかになった。林文子市長は同日、市の対応の誤りを認め、今後は速やかに保護者に知らせる考えを示した。市によると、同市神奈川区の私立認可保育園で8日夜、20代の女性保育士の感染が判明した。連絡を受けた市は園に、翌日は通常通り開所し、保護者らに対しては保育士の行動について保健所の調査結果が出てから伝えるよう要請した。
園は、当日の連絡や休園を検討したが、市の指示を受けて対応を保留。翌9日早朝、保健所の調査を待たずに独自の判断で、園関係者が感染したことを保護者らにメールで連絡した。登園した園児はいなかったという。その後、園の職員37人全員と、保育士が担当したクラスの園児13人が濃厚接触者とされ、休園となっている。
市の担当者は、情報提供の保留を園に求めたことについて「濃厚接触者や休園の必要性など正確な情報を伝えるためだった」と釈明。一方で「心配する気持ちに配慮が足りなかった」と不適切な対応だったことを認めた。林氏は15日の定例記者会見で「保育所が閉めたいとおっしゃるんだから、直ちに閉めるべきだった」と述べた。
この問題を巡っては、保育園長らでつくる団体「横浜市私立保育園園長会」が13日、市の対応改善を求める林氏宛ての要望書を提出。要望書で「情報操作や隠蔽(いんぺい)ともとれる対応を直ちにやめ、保育所が保護者へ公表することを妨げない」よう求めていた。(毎日新聞2020年4月15日最終更新 19時55分))
保育士感染で横浜市「公表控えて」 園長会「隠蔽だ」
保育士が新型コロナウイルスに感染した事実を保護者に伝えようとした横浜市内の私立保育園に、市が公表を控えるよう求めた上、翌日も開園するよう指示していたことが15日、分かった。市私立保育園園長会は市の対応を「情報操作や隠蔽(いんぺい)だ」と批判。市は「適切な判断だった」としつつ、「保護者の不安に寄り添えていなかった」と釈明している。市が同日に会見を開き、明らかにした。
市などによると、同市神奈川区にある西寺尾保育園で8日、勤務する20代の女性保育士の感染が判明。園はその夜、区に報告し、すぐに保護者に感染の事実を伝えようとした。だが区から連絡を受けた市は、公表を控えるよう求めるとともに、翌9日の開園を指示した。園は独自の判断で、9日午前6時頃、保護者にメールで感染を報告し、登園を保護者の判断に委ねた。結果、登園する子どもはいなかった。
一方、市は保育士が3月まで担当していた園児13人と職員37人の計50人を濃厚接触者と特定。9日夕になって、10日から18日まで休園することを決めた。
事態を重く見た市私立保育園園長会は13日、改善を求める要望書を提出。「感染状況の公表は園児、職員らの命を守るために必須であり、情報操作や隠蔽は到底、許されない」と市の対応を厳しく批判した。
15日に会見した市は「保護者への公表は、保健所の調査結果が出るまで待つよう指示したもの」と説明し、隠蔽には当たらないと主張。開園の指示は、感染が判明した8日の時点では園内での感染リスクが高まる状況ではなかったためとした。その上で、保護者の間に不安が広がったことを認め、「今後は園関係者の感染が分かった段階で休園とすることも検討する」と見直しを示唆した。
林文子市長は15日の定例会見で、開園を求めた市の対応は間違っていたとの認識を示した。会見ではほかに、同市磯子区の保育園でも保育士が感染し、休園していることも明らかにされた。(神奈川新聞 2020年04月15日 22:09)
参考
横浜市で新たに18人の感染を確認 院内感染の疑いも
新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、横浜市は12日、10~90代の男女18人の感染が新たに確認されたと発表した。調査中の1人を除いて軽症。このうち男女3人は市内の同じ医療機関に入院する60、70代の患者だった。
市によると、この医療機関に勤務するリハビリ専門職の女性の感染が既に判明していた。市は「院内感染の疑いが十分にあり得る」として、3人以外にも感染者がいないか引き続き調査する考えを示した。
このほか、市内の別の医療機関に勤める20代の男性看護師の感染も判明。この看護師を含めて計10人の感染経路が不明という。(神奈川新聞 2020年04月12日 18:15 )