〈長期政権とコロナ禍〉
いつか 民からつけがまわるのではなく
先に 民につけをまわすこと
〈井戸塀の政治家〉
金と権力にたかる しがない者たちとは
縁もゆかりもない 夢の政治家
〈記者会見〉
借り物の言葉で 民への不誠実さを
つまびらかにするところ
〈予算委員会〉
よさんかいと言われるくらい
いい年こいた議員たちが
スキャダルを 真剣に暴こうとするところ
相手も暴かれぬよう 必死にこらえ強弁する
楽しいバトルは 民心をゴシップ漬けにして
民意のレベルを下げることに 力を注ぐところ
〈国会議員〉
上級国民の最たるおひと
世渡りと集金力に長けた 選ばれたおひと
いまは血筋がものをいい 親の地盤を継ぎしおひと
仕事はしなくても 仕事が出来なくても
席を温めているだけで 仕事のふりができるおひと
身を切る歳費カットは 好まぬおひと
〈国会〉
立法は 質より量の数の論理が横行し
常に 数に勝る党が制するところ
議論は飾りで 民意は及ばぬ 立ち入り禁止ゾーン
国会中継は うまく演出された出来合いレース
だから 余計に民心は遠のき
してやったりのしたり顔は 誰がするのか
おわかりでしょう
〈政治資金〉
国会議員選挙の時に必須な金
公示前に 地元の有力者に現金をばらまいても
罪には問われない クリーンな資金も含まれる
1億5千万円の政治資金を元手に戦った
注目度も高い 広島の元法相の一件
検察の度胸試しに 乞うご期待!
〈選挙区〉
選挙の時だけクローズアップされる 地盤というところ
お金と地位を生み出す 美味しいところ
品格を問われるほどの悪さをしても
支援者は見限らない 居心地のいいところ
〈長期政権〉
次代を担うに相応しい人材が 誰もいないこと
代わり映えのしない面々が居並び
ダラダラと歳を喰いながら 互いに称え合い
不気味に常態化した 異様な集団
〈族議員〉
政策課題に特化した委員の集まり
大企業や特別な政治団体からの
潤沢な政治献金を当てにして
おこぼれにあずかる者たちも 属(族)する
〈与党と野党〉
議員の数の違いで 色分けされる
金回りがいいと 人も集まり与党となり
金回りが悪いと 野党のままでいるしかない
だから趣旨替えしてまでも 与党に鞍替えする
これを裏切りとは言わず 時流に乗るという
〈女性議員〉
女性の議員の割合は 世界でも最低レベル
ただ 市川房枝さん 土井たか子さんとは
究極にいて 勘違いする者も少なくない
女性タレントで票集め
愚策を続けることしか能がない
これは 男社会の限界か
〈適材適所〉
めぼしい人材のいないことを
かばうかに見せて 暗に認めること
〈未来志向〉
コロナ禍の いまはさておいて
当てにならぬものを 信じ込ませようと
未来に希望をと ただ見させるだけのこと
見せ金もどきの 不毛な願望志向
〈前例踏襲〉
コロナ禍の 緊急事態に対応できずに
持ち出しては 笑われる死語
〈10万円の一律給付〉
1万円は 天引き消費税
実質9万円
あくどい商人もどきの やり口 だまし討ち
〈責任は私にある〉
決して責任をとらない 反意語
ごまかし はぐらかし 言いつくろうスキル
身につけていなければ
トップの座には 居座れない
神輿は タダでは担がせない
忖度させる政治力
責任は私にあると発して従えさせる
不思議な呪縛の言葉
〈政治判断〉
知見なく 科学的根拠にも乏しく
熟考していたと さも見せかけた独断専行
判断を誤れば 取り巻きが尻拭いをさせられる
〈政治力〉
金力と支配力
情報力と隠蔽力
多数決の乱用力と異見無視力
〔2020年4月29日書き下ろし。現代政治事典風にご時世を論じて見ました。ただ虚しさが募ります。いつか呪縛が解かれますように〕