正しく生きよう

確かなことは 
今世紀最大危機が 世界を襲ったことだ
誰かの不幸が 慰められるのではなく 
責められることに なぜ苦しめられるのか
仕方なく子どもを預け 
現場に立つ 医療者たち 福祉人たち 
危険を承知で いまも働く
あまたの人が 苦渋に満ちた決断を強いられる 
そこに 冷ややかな目線と差別の言葉が 
無慈悲にも 胸を突き刺す

いつも 
こうして排斥してきた
民の哀しくむごい歴史が 繰り返される
危機に遭遇して 
その人間の卑しき本性が 見事に現れるコロナ禍
歯を食いしばり 怒りを抑えて 寛容を示そう
そうしなければ あまりに切ない世の中だから
生まれてきたわけに いまはただ心を砕こう 
人として生きる座標軸を 失わぬようにするために
日本国憲法の下で 正しく生きよう

〔2020年5月3日書き下ろし。心ない中傷が後を絶たない。それでも現場で頑張る人たちが、人としての生き方あり方を示し続ける。憲法は人権を護れるのか〕