地方自治の呪縛と冒涜

呪縛が解けた
押しつけられた 服従心
断り切れぬ 威圧感
逆らうことも出来ぬ 従属感
罪だと知りつつ白を切る 罪悪感

呪縛が解けた
党の意向を受けた選挙に勝ったその裏で
自治体の長や議員が 囚われていた
現ナマ仕掛けたボスが捕まり
騙しきれぬと ひとりが観念
次から次へと 白状した

呪縛が解けた
どんな仕返しを受けるのか
断るのが怖かった
権力を笠に着た者の卑劣さに 屈した
堪え切れなくなった 自治体の長や議員が 
ようやく良心の呵責を覚え
競って買収行為を 白日の下にさらす

さて 県民の呪縛は 解けるのか
地方自治を担う者たちが こぞって加担
地方自治を冒涜し歪めたモデルとして
歴史に禍根を残す
チャレンジ精神やフロンティア精神を誇る県民性に 
平然と泥を塗る

県民の呪縛を解くには
謝罪を そのまま受け入れることだけか
地方自治を守ることにこそ 道は開けよう
地方自治の首長や議員の責務を チェックすることだけか
この問題の根の深さと闇を解き明かしてこそ 道は開けよう

広島のどさくさにまぎれて 批判をかわし
議員に居座る 菅原一秀前経産相
常態化した有権者への買収行為 
東京地検は 起訴を見送る
違法行為を認めて 謝罪すれば一件落着
地検は 民意と乖離する悪しき事例づくりに加担する 

広島は 同じ東京地検
権力にすがり〈おのれのため〉の金権政治
果たして 司直の手で呪縛は解かれていくのか 
不信感を抱きながらも いまは委ねるしかない

一石を投じた国政選挙の買収問題
関わった議員らの
地方自治への冒涜を 深く心に刻みたい

〔2020年6月28日書き下ろし。河井元法相夫妻の冒した罪は、地方自治そのものの冒涜。ところで道会議員は、果たしてその責務を全うしているのか、恥ずかしながらよくわからない。顔の見えない議員たちが、闊歩している怖さを思い知らされる〕