坂本大輔「一生現役」

あなたは つぶやいた
「もう引退だ」と
あなたは 通った
市民がふくしで動く 故郷へと

あなたは 弱音を吐いた
「もう引退だ」と
あなたは 向かった
ふくし計画づくりに 道内の仲間の元へと

あなたは 言った
「もう引退だ」と
あなたは 飛んだ
ふくしの授業をしに 全国の仲間の元へと

あなたは 伝えた
「もう引退だ」と
あなたは 走った
一人ぼっちの わたしたちの元へと

あなたは 誘(いざな)った
「ふくし教育・ボランティア学習」のみちへと
わたしは 教わった
真剣に学び続けることの喜びを

あなたは 説いた
子どもを粗末にしない「共育」の真理を
わたしは 学んた 
本物の「いのちとこころ」の授業を

あなたは 紡いだ 
地域の「きずな」を
わたしが 大切にしなければならない
市民の「ふくしへのおもい」を

あなたは 繋いだ
次代への「ふくしのバトン」を
わたしは 継がなければならない 
あなたの「ことば(詩)」から溢れる力を

わたしは 思い出した
あなたは昔 故郷での講演会で 確かに語った
「ボランティアの世界に〈引退〉の言葉はありませんよ」

[2020年7月20日、登別市社協坂本大輔氏より贈られた掲載丸一年の祝詩。「今ごろになって、あなたから教わった大切なことを学び直し、これからもご指導いただきたいおもいと、あなたへの尊敬の念と教えを詩にした」という。特別な感謝をもって彼の詩を掲載する]