クラスター発生の要因

福祉施設でコロナのクラスターが発生する
2つの要因を教えられた

ひとつ
整理整頓がなされていないこと
物品が煩雑に置かれた職場環境は最悪である

ウイルスの感染を防ぐ基本的な対策
誰がどこをいつ消毒したのかどうか
確認のしようがない
消毒されない場や物が確実に出てくる
日々の防疫作業がデタラメとなる

防疫意識の低い職場
煩雑な物に囲まれた環境に慣れ
率先して整理整頓をする者はいない
余計な仕事であり面倒くさいが先に立つ
整理した先から誰かが散らかす

用具・用品。備品・設備などなど
細々した箇所の消毒を怠ることに
何の問題意識も持たぬ職場の空気が
まん延している環境を変えることは難しい

利用者のいのちと職員の暮らしがかかる
身の回りの共同で使用する物品の管理と整理整頓
消毒の実施と確認の方法を共有しよう
それからしか 意識変革の始まりはない

ふたつ
コミュニケーションが連動していないこと
仲間内の関係性が薄ければことさら防疫意識は乏しい
消毒したのかどうかの確認も曖昧に済まされる
指示も適当に聞き流し個々の判断が優先される
やったつもり見たつもりが当たり前の日常ならば
改善を指摘することもはばかれる空気が支配する

重要な取り組みさえも共有されず共通理解は成立しにくい
個々の勝手な思い込みや手加減で職場が動く
自己管理も適当でこの程度なら大丈夫と何の確証もないまま仕事に就く
体調不良や多少熱があっても出勤せざるを得ない空気も否定できない
基本的な報告・連絡・相談をないがしろにすることで事を大きくしてゆく

全体で取り組まなければ防疫できない緊急事態
コミュニケーションが不十分な組織は防疫体制を弱体化させる
基本的な物品管理もその意図すら理解できず防疫力を衰退させる
ウイルスが入り込む環境を造成していた事実は
クラスターが発生してはじめて見える化される
そのときすでに防御の機会を失う

発生してからでは後悔しても手遅れ
最悪死者や重篤者が出ればいたたまれない
一丸になって取り組むことしかこの苦境は乗り切れない
コロナ感染の警戒心が緩んだいまだからこそ
2つの要因から現場の見直しを再三するしかない

利用者と仲間と自身を守るために
介護ケアのプロとしての正しい認識と的確な判断を踏まえて
安全と安心を担保するのが福祉の仕事です
それが社会から信託を受けた福祉施設の使命であり
その責任を現場で担うのが福祉人であるあなたです

ウイルスとの闘いはまだまだ続きます
人類の叡智(科学)が勝利する日まで
頑張ってください

〔2020年10月10日書き下ろし。ある福祉施設関係者との話題に出た2つの要因。ススキノのクラスター発生原因にも通じるか。大事なことと書き留めた〕