特別じゃない

日々の暮らしの中で
いつものように何気なく気遣う
日々の活動も
いつものように何気なくこなす
時々の集まりも
いつものように和気藹々(わきあいあい)だった

誰かに凄いと言われるまで
そのことが特別なこととは思わなかった
誰かに褒められるまで
そうしていることの値打ちを知らなかった

驚いた
みんなもそうしているものだと思っていた
嬉しかった
みんなと違う大事なことをしていた

一人ひとりが自分のおもいを伝えるだけ
これが当たり前だと思っていた
一人ひとりの発言をまていに聴くだけ
これが当たり前だと思っていた

小さなまちの民生委員児童委員の定例会
事例を持ち寄り協議する
個々の抱える問題が語られる
個々の抱える悩みが共感される

腹にためたおもいを吐き出す
発言はさえぎられず受けとめられる
腹にためたおもいは共有される
発言は仲間に認められ元気を取り戻す

会議は生もの
悩む仲間の訴えは 心に響く   
会議は生もの
落とし所は みんなで探す
会議は生もの
飾らぬ言葉は 躍動する

ひとりぼっちにしてはならない
そのおもいが凝縮した空気の会議
不安や戸惑いを抱える新任委員も
臆することもなく この空気に触れて成長する

会議は発言者がいなくなるまで続く
一人ひとりを尊重し 認め合う当たり前
損なうことなく構えることなく 続けられた当たり前
明日への活動へのおもいを 確かめる当たり前

まちの福祉の担い手は
当たり前の値打ちを知って
今日もマスク越しに笑顔をふりまき
普段着のまま 御用聞きに伺います

〔2020年10月27日書き下ろし。いま民生委員児童委員の研修活動について、道内3つのまちに出向いてヒヤリングを道民児連が実施。それに同伴して大事な当たり前を学んだ〕