マップづくりと新任民生委員

去年の12月 
全国一斉に 民生委員児童委員が改選された
その後 世界をコロナウイルスが襲った
夏GOTOトラベルで 移動制限が緩るんだ
10月道内の感染拡大は 止まることを知らず
気の緩みもあってか 道内各地に拡散した 
クラスターも ところ構わず発生しだした
鈴木道知事の2月3月の記者会見
いつもマスクをしながら 緊急事態をアピールしていた
いまは 平然とマスクを外し 「警戒2」を呼びかける

民生委員の日常的な活動は 自主的に規制された
いまも十分な活動は 難しい
定例会も専門部会も 三密を回避しながら工夫をこらす
訪問活動も インターホーン越しの安否確認
マスク越しでの会話に 難渋する人もいる
心許ないと思いつつ 委員はマチを今日も歩く

富良野市の民児協(民生児童委員協議会) 
12年間「支え合いマップ」づくりに取り組んできた
年に一度の 更新時期がやってきた
割り当てられた地区を 新人たちは精力的に駆け回る
緊張の日々が続く
分からないことは 前任者がしっかりとフォローする
アドバイスを受けながら 地域と人を学んでいく
町内会や老人クラブに 顔を売る
顔なじみになることが 活動の糧となる
そう信じて 気配りは欠かせない
要援護者に 周囲がどんなふうにどれだけ関わっているのか
頭の中に その人の暮らし方や難儀さが見えてくる
地域の暮らしにくさを和らげる 人のつながりも見えてくる
一枚の地図を書き上げる頃には すでに新人ではなくなっていた

地域でつながる仕方が 少しずつ身についてきた
地域で為すべきことが 少しずつ見えてきた
地域で支え励まされる喜びを 少しずつ感じてきた

新人の不安は 前任者のフォローで軽くなった
新人の戸惑いは 要援護者の笑顔で救われた
新人の意欲は 温かい仲間の支えで高まった

民児協の「支え合いマップ」づくり
代々つないできたバトンは
地域福祉を耕す力となって 新人たちをつないでゆく
新人が育つゆく 確かな研修システム
コロナ禍でも 渡されたバトンを引き継ぎ
富良野のマチの 福祉を担う熱い人へと育ってゆく

〔2020年10月28日書き下ろし。昨日の富良野市民児協でのヒヤリング。民児協に集う委員のおもいの熱さと意欲に圧倒されながら、3人の新人たちへのインタビューから、マップづくりを通した新人育成プログラムの可能性を見出した〕

※「支え合いマップ」:福祉のまちづくりのために、住民の支え合いに実態を住宅地図に記入して、地域の取り組みを明らかにし、その課題解決に向けて支え合いの取り組みを進める手法。

付記
「警戒2」28日移行 新型コロナ 道、出勤抑制など要請
道は28日、新型コロナウイルス感染対策の警戒ステージについて、出勤抑制などの行動自粛を要請する「ステージ2」に引き上げる。今後2週間を集中対策期間とし、道民に3密(密閉、密集、密接)を回避できない会合の自粛などを要請するとともに、発熱患者を受け入れる医療機関や検査体制を拡充。午前に対策本部会議を開き、正式決定する。
新規感染者の急増や医療体制の逼迫(ひっぱく)の恐れを受けた措置で、引き上げは運用を始めた8月25日以降初めて。全道を対象とし、発熱やせき症状がある場合の外出自粛、テレワークや時差出勤の推進などを要請。飲酒を伴う会合など感染リスクの高まる場面での対策を求め、特に飲食店関連のクラスター(感染者集団)が相次いでいる札幌市での呼びかけに力を入れる。(北海道新聞2020年10月28日)