不義に
抗議できない
反対できない
歯ぎしりしながら きつく目をつぶる
卑劣に
立ち向かえない
声さえあげられない
怒りに震えて じっと立ちすくむ
非道に
反発できない
反抗できない
握りしめた手のひらに 爪跡が残る
心臓は バクバクと鼓動し続ける
形相には 怯(おび)えが走る
こわばった身体は 恐怖で固まる
意気地なしと 罵(ののし)られ
貧乏もんと 蔑(さげす)まれ
生きた心地なく 口を塞ぐ
世間の陰口に 涙堪(こら)えた子よ
世の不公平に 憤った子よ
人の無情に 傷ついた子よ
手のひらの爪跡に
境遇に屈することなく
逆境を跳ね返す 反骨心を見た
絶望から発した 希望の光を感じた
生きねばならぬ 強い意志を感じた
〔2020年11月7日書き下ろし。いじめの続編。子どもの貧困が、子ども社会でいじめのターゲットの要因になる。学校に行けぬ子の辛さを教師は本当に理解しているのだろうか。今朝の毎日新聞の社説「コロナと教員の働き方 負担軽減の方策が必要だ」をじっと読む〕