進化した暗殺者

13日夜 国内で新型コロナウイルスの感染者数は1687人
12日の1634人を上回り 2日連続で過去最多を更新
各地で感染者数の増加に歯止めがかからない状況が続く
道内では 新たに235人が感染
日別の感染者が 200人台となるのは9・12日に続いて3度目
道内の感染者は累計5032人 死者は123人を数えた

札幌市133人 石狩36人 空知16人 後志10人 
上川6人 留萌1人 宗谷6人 渡島1人 檜山1人
胆振6人 十勝8人 釧路4人  
その他 神奈川県・兵庫県各1人 非公表5人

今日は 14管内中11管内だが 全道にまん延している
特養ホームや高校・大学など 次々とクラスターが発生する
札幌のススキノエリアにシフトした規制は 時すでに遅し
行政の後手後手の対策は 市内感染を見事に拡大させた
GOTOトラベルの東京解除以降 道内外の移動が活発になった
観光を中心に経済活動も 活発になった
道民の感染予防意識は緩み 飲食も移動も警戒心が徐々に薄れた
寒くなるにつれ 感染が拡がる予想はすでになされていた
いまの状況が いつまで続くのか全く予見できない
治療病棟の満床や 軽症者の収容ホテルの不足など
このままでは 医療逼迫(ひっぱく)の危機も懸念される

札幌市内のインフルエンザワクチンも 底をついた
ワクチンを探して 病院への問い合わせも終盤模様
在庫がなくなり次第 今年の接種を終了する
次の入荷の目処は 全く立っていない
エッセンシャルワーカーなど 
接種しなければならない人たちが漏れれば
社会不安も 否応なしに増してくるだろう

第1次・第2次流行時とは 全く違う異常事態
コロナウイルスの変異に一因するとも指摘され
ウイルスは 進化した暗殺者に変わってゆく
13日世界の感染者の累計は5255万6751人
死者は129万427人
12日世界の死者数は1万1671人 過去最多を更新
欧州では6395人 中南米でも2000人に迫る
米国は大統領選後 毎日10万人以上の感染者を出し
すでに1051万人 死者24万人を数える
都市封鎖も始まろうとしている
選挙後の混乱は 感染拡大に拍車をかける
コロナ禍は 過去最悪のペースで世界中を震撼させる
そして 弱き者たちが犠牲を強いられてゆく  

対策に正解はない
千思万考の時は終わった  
二月以降 コロナとの闘いで知り得た知見を検証し
先手先手に為し得る最大の対策を 迅速に実行するしかない
そのための10兆円の予算ではなかったのか
デジタル庁や携帯料金で 得点稼ぎを狙うよりも
コロナ対策に腰を据えた重点政策を 
政党の思惑を超えて展開するしかない
危機管理能力は いまこそ発揮しなければならない
管政権に ビジョンがなくとも 
存在そのものの 真意が問われている

カウントするのではない
一人ひとりのいのちと痛みを 
政治は想像しなければならない

〔2020年11月13日書き下ろし。世界的に最悪のペースで拡大する一方で、けったるい的を射ない首相のコメントが不安と不満を増長させる。現在の感染者数1万1083人〕

付記
コロナ感染拡大、経済活動が影響か 中年層も重症化注意
新型コロナウイルス感染症は夏以降の「第2波」が収まらないまま、流行の波がやってきた。「第3波」との見方もあり、1日あたりの国内の感染者数は13日も過去最多を更新。感染が広がりやすくなるとされる冬を前に、経済を守りながら感染を抑えられるのか。予断を許さない状況だ。
第3波は懸念材料が多い。第2波は当初、大都市の歓楽街など感染リスクの高い場は限られていた。しかし今、東京都などの感染者が集中する地域では、家庭内、職場、高齢者施設や病院などが主な感染の場となっている。
…冬は寒さや湿度の低下、換気や紫外線の減少などが影響し、感染が起きやすくなるとみられている。新型コロナと症状が区別しづらいインフルエンザの流行も懸念される。
感染者が急増し始めた北海道で、重症者の治療にあたる札幌医科大病院高度救命救急センターの文屋尚史医師は、道内で春に新型コロナが流行した際は「これから暖かくなって患者が減るかもしれない」という希望があったという。しかし今は「流行がどれくらい続くのか、まったく予想できない」と懸念する。
急速な感染拡大を受け、政府の新型コロナ対策分科会は9日、クラスターへの対応強化などを緊急提言した。分科会メンバーで、日本感染症学会理事長の舘田一博・東邦大教授は「緊急提言から1週間ほどたっても止まる気配がなければ、より強い措置をとらざるを得ないだろう」と指摘する。感染に気づいていない人を早く見つけ、感染の連鎖を断つことが急務だとして「発熱や嗅覚・味覚の異常、のどの違和感などがあれば、早く検査を受けてほしい」と話す。(朝日新聞2020年11月13日)