ハレの日だった
着飾った者たちが 桜の木の下に集まった
全国津々浦々から 招待をされてやってきた
雲上の憧れの人に出会う 一生の思い出の日だった
招待客の年々増加は 私物化と批判された
早々にリストはシュレッダーにかけられ廃棄された
処理に問題なしと 菅首相は平然と嘯(うそぶ)く
前夜祭の費用の支出が取り沙汰された
23日 安倍元首相にはお咎めなし
秘書に過失ありと 検察は不起訴決定
記者会見 謝罪を口にしながら 時に強気のごまかし答弁
記者もツッコミ弱く だれた質問続くだけ
25日 議員運営委員会の強弁は 狂言に似て非なりか
検察の不起訴を味方に 質問のかわし方は見事なり
気勢を削がれ ポイント外され イラつく野党は非力なり
さすが手練れの国会答弁 独壇場と化し愉快なり
シナリオ通りの展開に してやったりのどや顔は眩(まぶ)しけり
知らなかった
みんな任せていた
見たことない
確認すれば済むことを することなしに
事実に反する発言
事実と異なる発言
言葉を操り 繰り返しごまかし続ける
言い方をどんなに変えようと
すべては虚言 嘘でしかない
金の出所も 秘書との関係も 釈然としない
くすぶり続ける疑念を 果たして追及できるのか
明らかになったこと
政治家の矜持(きょうじ)を捨てたこと
バッジに固執する小賢しい行いであること
嘘を言いくるめる正しい道徳を子どもらに教えたこと
謝罪の場は弁解の場となり居直り こう締めくくった
「9回選挙を戦ったが、常に圧倒的な勝利を与えられている」
ハレの日は 汚濁にまみれていった
〔2020年12月26日書き下ろし。気勢を削がれたいつもの面々。相手は一枚も二枚も上であることの証明の場となっただけのことか〕