老爺心お節介情報/第14号(2020年11月18日)

「老爺心お節介情報」第14号

Ⅰ 地域福祉計画における障害者の地域自立支援と障害者の地域移行問題

2005年の障害者自立支援法及びそれにより策定が義務付けられた障害者福祉計画で政策化された障害者の地域移行問題は、これからの“上位計画”としての地域福祉計画において重要な位置を占めている。しかしながら、地方自治体では一人暮らし障害者の実数さえ把握できていないのが実情である。
『月刊福祉』12月号の曽根論文「これからの社会福祉の展望――障害者の地域移行をどう推進するか」は、地域移行問題を理解するうえでとてもいい論文である。障害者のグループホームのあり方や日中活動の支援をグループホーム内で行う事が可能な「日中サービス支援型」の創設を始め、障害者の生活支援を総合的に、統合的に支援できるシステムづくりがこれからの地域福祉計画では重要な課題である。

Ⅱ 地域福祉の推進の要である地域包括ケアのシステムづくり

私は、地域福祉は社会福祉の新た恣意考え方であり、それを具現化でするためにはシステムを創ることが重要であるとかねがね述べてきた。そのために、市町村の自治体のアドバイザーとして、あるいは地域福祉計画の策定において、地域の実情を踏まえた様々なシステムやプログラムの提案をし、実現してきた。今求められている地域共生社会政策でも、このシステムづくり抜きにして具現化は出来ない。
旧聞ではあるが、雑誌『コミュニティソーシャルワーク』第25号(日本地域福祉研究所発行、中央法規発売)に掲載されている高田麗さんの論文「高齢者の諸課題に立ち向かう高齢者地域包括支援センターの挑戦――地域における包括的な支援の展開―」は、人口24万人の神奈川県茅ケ崎市において、包括的支援がどういうシステムで展開できているかがよくわかる論文である。ただ、私なりに言えば、このシステムが展開できる地域の力の一つに、茅ケ崎市が全国にも誇れる小学校区毎に設置されている公民館活動が住民主体で運営されてきていた歴史との関わりの分析、記述がないのが少し残念ではある。

Ⅲ 前号「「老爺心お節介情報」第13号の修正

前号の「国民生活基礎調査の概況」の中で、世帯数の単位を記載するのを忘れました。世帯数は全て「千世帯単位」です。お詫び申し上げます。以下に修正したものを再掲します。

65歳以上の高齢者のいる世帯
2019年 25584世帯(単位千世帯)――高齢者単独世帯7369世帯(単位千世帯)(28・8%)
高齢者世帯 14878世帯(単位千世帯・100%)――単独世帯7369世帯(単位千世帯、49・5%)
男性世帯 2577世帯(単位千世帯、17・3%)、
女性世帯4793世帯(単位千世帯、32・2%)

(2020年11月18日記)