ともに在る道

人生に物足りなさを 感じています
存在そのものが 薄っぺらな気がします
幸せの実感は ほとんどありません
かといって 不幸というわけでもありません
物足りなさや薄っぺらさは 一体どこから来るのでしょう

あの男は いつもエネルギッシュで楽しそうだ
あの子は 思いっきり存在感をアピールしている
あの人は 誰にでも笑顔を周りにふりまく

幸せの実感の軽重
幸せの比較の大小
幸せの時間の長短
幸せの本質の貧富

どんな物差しで計るのか
どんな秤で量るのか
どんな数値が満足度となるのか

いつも幸せの度合いを 他人と比べる
時に安心し 時に不安になり
行ったり来たりで 疲れてしまう

他人と比べるって つまんなくない?
他人よりも幸せって ほんとかな?
幸せを競い合って なんぼのもの?

そこに見える利己心
さもしい妬(ねた)み
卑しい嫉(そね)み
心根の歪(ゆが)み
そして醜い貪欲さ

自己本位の秤に振り回されて
存在を薄っぺらにしてしまう
せめて他人の信託を秤にかけて
存在の重さを計ってみませんか
ゼロならば救いようはない
ちまちまと孤独に生きようか

そうなりたくないのなら
他人と比べて一喜一憂するよりも
他人と〈ともに在る道〉を見つけたい

〔2021年3月18日書き下ろし。他人と自分の境遇を比べる根柢に、さもしい利己主義が顔を出す〕