憤りに 小さく震える肩
悔しさに きつく噛む唇
やるせなさに 萎えてゆくおもい
傷心に のしかかる重責
不本意な諍(いさか)と抗(あらが)い
踏みねじられる誠意
許しがたい仕打ち
放置できぬ対応
避けられない対立
無能な者が 我が物顔で職責を汚す
そうでなければ まだ交渉の余地はある
無能な者は 人事考課の結果が示す
そうでなければ 異動まで我慢はできる
無能な者ほど 自己顕示欲を誇示する
そうでなければ やるべきことをわきまえる
市民とつなぐ 民生委員担当の無能さが際だった
なぜここに配置されたのかも 不思議だった
定年間近でも変わり者でも 市民は受け入れる
無能と評価されても 市民が支えてくれる
我慢してもらえるなら御の字 とでも考えたのか
開き直ったその言動は
利己的な気質と 職務へ軽視をさらした
心ある民生委員の意欲は 低下してゆく
心ならずも離叛し 寛容を捨てるしかなかった
活動が滞ることへの ジレンマに苦しみもがく
市民と協働して 積み上げねばならぬ福祉
市民が寄り添うことで 支えなければならぬ福祉
ますます重要な福祉の担い手を 支えきれなければ
まちの福祉施策は頓挫する
綿々と積み上げてきた実績を 評価しなければ
まちの福祉施策は信頼を失う
他人事に時間を費やすボランタリーな人を 尊重しなければ
まちの福祉施策は人材を手放す
まちの人も予算も収縮してゆく時代に
市民が担うべき福祉の現場とその人なりを 育て支えることこそ
行政が為さねばならぬことと わきまえたい
安直に福祉に思いなきものを配置する愚弄は 不信を増長させる
福祉と市民をつなぐ心ある人材は いまこそ求められている
コーディネーションする福祉の資質は 市民が育てることを心したい
行政と市民との板挟みになりながら
時に逃げ出したくなる事態に 心を折りながらも
プレッシャーに 押しつぶされそうになっても
焦燥感にかられ 立ち止まってしまっても
気力をふり絞り 福祉と向き合う民生委員がいる
決してひとりぼっちにしてはいけない
民生委員信条に生きる 気高き市民と協働してこそ
福祉の施策は 血の通った温情となる
民生委員は 行政の僕(しもべ)では決してない
※民生委員児童委員信条
わたくしたちは、隣人愛をもって、社会福祉の増進に努めます。
わたくしたちは、常に地域社会の実情を把握することに努めます。
わたくしたちは、誠意をもって、あらゆる生活上の相談に応じ、自立の援助に努めます。
わたくしたちは、すべての人々と協力し、明朗で健全な地域社会づくりに努めます。
わたくしたちは、常に公正を旨とし、人格と識見の向上に努めます。
〔2021年3月18日書き下ろし。自治体の人事異動の時期である。福祉行政の上で不適切な人材の処遇を本当に配慮しているのか、疑問である。市民力を見下してはならない〕