菅首相は 再び緊急事態宣言を出さぬよう
しっかりと対策を行うのが 責務だという
責務を果たせず 感染を抑えられなかった
懲りずに経済の立て直しと 一途に五輪を目指す
5つの対策を掲げるが 効果は期待薄か
1 飲食を通じた感染防止
春の陽気に誘われて 一旦緩むと戻せない
飲食店だけ規制をかけるが 不満と不安がやるせない
娯楽施設やスポーツイベント 緩い規制で五輪開催の環境づくりか
2 変異株の監視体制の強化
監視しているのか 見えない体制
保健所も行政も 検査と対応で手一杯
内地から来た変異株 これから道内席巻する
監視の先にある防疫体制の強化は あるやなしや
3 感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施
戦略は 感染拡大を抑えるためにさまざまな視点から
総合的に技術や科学を動員することに尽きる
ならば問う
いままでの戦略は一体何だったのか
科学をご都合主義的に利用してきたツケが回っていく
4 安全・迅速なワクチン接種
欧州は変異株でリバウンドしている
ワクチンの輸入供給にも影響は必至
楽観的な情報を流して やってる感を演出する
開始の目処さえ曖昧で 確実性は先送り
いつまでに必要な接種が終わるのか
その目処さえも付けられぬ
迅速でがなく遅速を旨とすべきか
5 次の感染拡大に備えた医療提供体制の強化
日本医師会が その政治力を発揮する
医師会は 会員に対し医療体制強化に強制力はない
いままでも散々やってきたはずなのに
なぜ体制が整備されないのか
その要因は すでにお偉い方々には承知のはず
リバウンドに堪えきれぬいま 具体的にどうするのか
ベッド数より 医療者の離職対策にこそ注力しよう
5つの対策の なんと薄っぺらなことか
いままでの対策の 上書き程度で茶を濁す
宮城県を例に 地方からリバウンドが起きている
道内も長期対策期間が解除されて
内地から持ち込まれた変異株や
施設 病院 そして学生たちに広まるクラスター
解除前より数値は上昇して 下げ止まりを呈する
リバウンドの足音が
春の陽気とともに 大きく響いてきた
〔2021年3月22日書き下ろし。実行再生産数(一人が何人に移すのかの指数)が下がらぬままに、緊急事態を解除した。5つの対策で抑制できずにきたなかで、リバウンドは当然起こる。学習能力の低い者たちが、解散選挙に足早に備える〕
付記
緊急事態、2カ月半ぶり全面解除「まん延防止」視野に
政府は22日、新型コロナウイルス感染拡大に対応するための緊急事態宣言を約2カ月半ぶりに全面解除した。首都圏は飲食店への営業時間の短縮要請を1時間緩和し、午後9時までとする。新年度に向けて人出の増加が予想され、感染力が強いとされる変異株の広がりが懸念される。政府は宣言の前段階で集中的な対策を取る「まん延防止等重点措置」の発令を早くも視野に入れている。
飲食店に対する時短要請は宣言解除により、命令や罰則などの強制力を伴わないものになる。国や自治体は飲食店に引き続き感染対策強化を求めるが、実効性が課題になりそうだ。
(北海道新聞2021年3月22日)