バスに乗る

子どものようだった
修学旅行にでも行くような気分で
バッグに荷物を用意した

子どものようにふるまった
手慣れた旅の支度も新鮮な気分で
バッグの荷物を確かめた

子どものようにはなれなかった
仕事ができる高揚した気分で
二つ目のバッグに書類を入れる

子どもにはなれなかった
1年ぶりの待ち焦がれた気分は
二つ目のバックにおもいも入れた

子どもにはできないことだった
遠くで待つ学ぶ人の気分を
二つのバッグに期待と一緒に詰めこんだ

子どものように
素直に楽しく学び合う気分を
二つのバッグが運んでくれる

都市間バスの人となる

〔2021年3月22日書き下ろし。今冬仕事が全てキャンセルされた。道の移動制限が解除されて初めて23日2泊3日の旅に出る。会えてよかったと言って頂ける仕事にしたい〕