ゆらぎを生きる~道民児連民生委員児童委員初任者研修レポート その5

心揺さぶられて 戸惑い ゆらぐ
心乱れて 弄(もてあそ)ばれ ゆらぐ 
心騒いで 落ち着きなく ゆらぐ 

そのゆらぎを 引き受けなければならない
そのゆらぎは 理解を促す力となる
そのゆらぎが 生きることの証ともなる

いまゆらぎ始めている参加者に
そのゆらぎの意味を 問いかける
「あらがい動く」
あらがいなからも 世の中に添うことの真意は
動いてはじめて 見出されてゆく

心を揺さぶられたこの日を 覚えておいて欲しい
「きょうという日」
後回しにしてきたこと
途中で放り出してきたこと
先延ばしにしてきたこと
みんなやらなければいけないことだった
自分の弱さや不甲斐なさに気づきながら
一歩踏み出すことに勇気をもらった きょうという日
誰かが手を握った日のことを 覚えておいて欲しいと

慰藉(いしゃ)の手をもつ 民生児童委員は
慰藉の手に 導かれる人かも知れない
「ほころびを繕うということ」
うとましいと思っていた世間のしがらみの中で
自分もまた心ある人の 気くばり心くばり目くばりによって
生かされていることを 知らされる
人との心のほころびを繕う人こそ あなたなのだと

慰藉の心は 相手との心の距離を縮める
ラブレター「心の詩になる」
そんな心の詩を歌う人でありたい
「君だけのうた」
悲しいとき 辛いとき 嬉しいときに歌う 君だけの歌がある
励まし 勇気づけ 仕合わせにする力がある
人生に希望をもたらし 今日を生きる歌がある
カラオケに興ずる人たちに おもいを馳せながら
十八番(おはこ)を友にして 慰藉の手を差し伸べて欲しいと願った

どんな人にも どんなときにも 人は夢を見る
「夢のひとしずく」   
心のままに生きる水を 枯らしてはならない
日々の暮らしを慎ましく生きる人と 見る夢もある

「ゆらぎ」を朗読した
この研修の水脈をなす詩である
ゆらぎとは 分身との対話 本意との対立 本心の確かめ
ゆらぎつつ 生きる本質に迫ってほしいと 静かに訴えた

さあそろそろ出かけましょうか
見えない階段はどこにでもあり 活動のバリアかもしれない
「階段」
今日も団地の階段に挑む 私の体力づくり
どんなに崇高なおもいを持っていても
いま求められるのは この階段を上り下りする体力なのだ
この階段の先に 私を待っている人がきっといる
その笑顔に会いたくて 一段目に足をかけた
いつもここが 私の仕事のスタートライン
私とあなたのかかわりは ここからしか始まらない
そこに私は 何を求められるのか
民生委員の日々の労苦に 心惹かれる

ようやくエピローグを迎えた
やはり 子どもから心離れない自分がいる
「この子らに」
「きみがただいるだけで」
ひとり静かに 声に出して読んで欲しいと預けた
「めんこいしょ」
ラストメッセージを朗読した
宇宙永劫の一瞬に 奇跡の命を生き 
人間社会に 人として生きるいまを
次代を生きる子らに どう引き継ぐのか
その課題に挑んで生きる人たちへの エールでもある
自らの誕生と注がれた親の愛を抱きしめる人たちに
福祉でひとづくりとまちづくりへの夢を託した

参加者と参観の役員 そして運営されたスタッフに
コロナ禍で 研修が無事出来た事への感謝と健勝
これからの活動への期待を込めて 〆とした

※「慰藉(いしゃ):悩み、苦しみ、不安などを慰めいたわること」

※「あらがい動く」:「鳥居一頼の世語り」2020年9月1日アップ
※「きょうという日」:「鳥居一頼の世語り」2019年7月17日第1回の記念の日
※「ほころびを繕うということ」:「鳥居一頼の世語り」2019年7月25日アップ
※「心の詩になる」:「鳥居一頼の世語り」2020年8月16日アップ
※「君だけのうた」:「鳥居一頼の世語り」2020年6月21日アップ
※「ゆらぎ」:「鳥居一頼の世語り」2020年8月27日アップ
※「階段」:「鳥居一頼の世語り」2019年10月18日アップ
※「この子らに」:「鳥居一頼の世語り」2019年12月31日アップ
※「きみがただいるだけで」:「鳥居一頼の世語り」2020年8月11日アップ
※「めんこいしょ」:「鳥居一頼の世語り」2019年9月14日アップ
※参考「自助・共助・公助」:「鳥居一頼の世語り」2020年9月19日アップ
※参考「後ろめたさ」:「鳥居一頼の世語り」2020年9月18日アップ
※参考「改革への道」:「鳥居一頼の世語り」2020年12月16日アップ
※参照「民生委員信条に生きる」:「鳥居一頼の世語り」2021年3月19日アップ
※参照「正しく怒ろう」:「鳥居一頼の世語り」2021年3月20日アップ
※参照「先の景色を見る」:「鳥居一頼の世語り」2021年3月22日アップ

〔2021年3月29日書き下ろし。参照の3つの詩は、厳しい現実を事実に基づいて描いた詩である。民生委員児童委員には是非とも読んでいただきたい〕