なれの果て

あんたが どうほざこうと
いまでは どうでもいいのだ
いまさら 何をいってもおそい

あんたが そう繕おうと
いまでは どうしようもないのだ
いさまら 何も変わらない

あんたが 正しいと吹聴しても
いまでは だれも聴く耳はもたない
いまさら 目新しいこともない

あんたが いるから問題なのだ
いまでは そっぽ向かれるだけだ
いまさら おもいが変わるはずはない

あんたが もっともらしく論じても
いまでは またかと飽きられてる
いまさら 正義漢ぶるのが鼻につく

あんたが 思想を語るほど
いまでは ぞっとして興ざめする
いまさら リーダーぶるには信がない

あんたは 心変りしないから代わるしかない
いままで 散々やってきながら成果なし
いまさら 居座るのはリスクでしかない

あんたは どこにでもいる
あんたは 思い上がりでしかない
あんたが 衰退の源だ
あんたに 拠る者たちは排除できない

そこに無能な集団の バカさ加減を見せつける
そこに集う者たちの 理念なき生き様を見せつける
そこにしかいられない 保身のさもしさを見せつける

貧しくとも 学歴はなくても
人間として生を受け 
人や社会のために 身を粉にする人がいる
ことばで飾ることもなく
黙々と 為すべきことをする人がいる
決しておごらず 誇ることもせず
生かされていることに 感謝する人がいる
そんな人が なれの果てになることなど
そもそもありえない

〔2021年4月3日書き下ろし。市井には、なれの果てとはいわれない人生を歩んでいるただの人のなんと多いことか〕