地域の会館に 教育勅語を飾っている
外すよう進言しても 古老は頑なに拒む
村の倫理観が 否定されるような侮蔑を抱く
己の生き方を示す至心を 信じるしか道はない
教育勅語をかざした 代議士がいた
家庭教育のあり方が いまも通用すると息まいた
女おんなを 盛んにアピールした胡散臭さは
いまは ジェンダーの旗を振る
全て票と世評頼みの身のうちなれば この変節には恐れ入る
権威や官僚制度には 縦系列の序列が整然とつくられる
持ちつ持たれつの利得では 収まりきれないカースト制
政治も行政も 論理ではなく別の力学で動かされる
旧套墨守に生きることを旨とする人たちが 世にはびこる
旧套墨守の方々は
改革の使命も喜びも 味わうことなく朽ちてゆく
改革で社会や人が変わる醍醐味を 味わうことなく去って行く
改革が世のため人のためになる仕事を放棄して つまらぬ人となり果てる
旧套墨守の方々が
お国に貢献したと自負しても
改革を排除してきた功績は 歴史によって糾弾される
いまの世を 牛耳る時が過ぎし頃
いまの世に 疑問を持つ世代にして その悪弊を卑下される
いまの世で 業績を問われることなく その存在すら否定される
旧套墨守の方々よ
改革を恐れ 判断を放棄したがゆえの最期の審判
逃げることなく 受けて旅立てよ
我も 後から追従しよう
※旧套墨守(きゅうとうぼくしゅ):旧来のやり方を見直したり,改めたりせず,かたくなに守ること。
〔2021年4月4日書き下ろし。明治維新の変革理念の指導者は江戸や大坂ではない。小さな片田舎の身分の低い者たちである。優遇された環境にのうのうといる者たちは、旧套墨守で生きるしかないのか〕