悪夢が甦る

二度ならず三度目が来るとは
誰が予想しただろうか
不気味な予感は 現実味を帯びて来る

悪夢は 甦りを待つ
悪夢を 甦らせる呪文が聞こえてきた
悪夢が 足音を忍ばせ不気味に迫る

悪夢なら 早く覚めて欲しい
悪夢なら 一時の我慢を堪えればよい
悪夢ゆえ 金縛りにあうのが怖い

その悪夢を招く者が 支配の席に三度(みたび)就く
その吐く虚言に 被支配者は服従する
その傲慢な態度に 被支配者は隷属する
その野心的凶暴さは いつか被支配者に武器を持たせる
その権力という欲望は 枯渇することなく湧き上がる
その命が尽きるまで 支配することを天命とする

ただの凡人は 凡人らしく振る舞うことを拒否する
無能な凡人は 非凡であると偽り着飾って己を騙す
信望なき凡人は 見返りに金と地位をばらまく
世襲の凡人は それだけが命綱で取り巻きと政界を渡る
小賢しい凡人は 待望論を演出して蘇りを図る

悲哀なのは その支配を三度されようとも 喜んで甘受する
無謀なのは その支配に刃向かうことなく すべて甘受する
非情なのは その支配が私欲に塗れていても 構わず甘受する
悲惨なのは その支配の先にある戦争すら 疑わず甘受する
無知なのは その支配による命の搾取を ひたすら甘受する

無関心・無批判・無抵抗のエゴが
悪夢のような現実を甦らせる
正義心・倫理観・感情の劣化が
悪夢に彩られた社会を甦らせる
信託・信用・信頼の喪失で
悪夢の政治が甦る

〔2021年4月27日書き下ろし。25日三選挙全敗後何を正すのかも分からず、悪夢が蘇ることに大きな不安を感じている。五輪以上に不遜な事態が起こる予感して怖い〕