力のある教師ってどんな人?
まずは授業力かな
授業の仕方がうまい
わかりやすく 楽しく教えられる
もっとよくしようと工夫して 勉強もしている
勉強が苦手な子が ついてくるときが一番うれしい
わかり方なんて みんな違う
わからない子に わかるよう考えるのがおもしろい
知識を切り売りするだけじゃ 授業じゃない
「わかる」って喜びがあっての 授業の醍醐味
力がないから難しいって あきらめないで
子どもらのわかったときの顔を見たくて 頑張るんだ
授業力は わからない子らがつけてくれるって 知ってた?
一番は 子どもを信じる力だね
この子の何を粗末にしちゃいけないのか
そのことを 一緒に考えてあげることかな
欠点もあれば長所もあるのは当たり前
でもそれって 誰かと比べたり 何かの物差しで計るってことでしょ
比べることを その子の物差しに置き換えてみたらどうかな
自分がこうしたい こうなりたいって気持ちがちゃんと見えると
いまその子が何を粗末にしているか わかってくるよね
その子の気持ちに添って 一緒に先を見て考えてごらん
子どもは 自分を信じる力をきっと見つけていくに違いない
その子を信じることからしか始められないのが 共育
できるとかできないとかじゃなくて
その子のこうしたい こうなりたいっていうおもいを支える
そんな大人がそばにいるだけで 子どもはきっと元気になる
信じることが 子どもも自分も成長させるってことかな
だから 子どもがその時々でなりたい自分を知ることが大事
誰かと比べることしかできない教師と出会うと
幼い子らには それが当たり前だと勘違いしたまま大きくなる
欠点ばかり目について 自分をさげすみ責めることになるんだ
よそうよ
そんなことを平気でするような教師にはなってほしくない
一人ひとりを 丸ごとよく見てご覧
その子の持ってる良さが 見えてこないかな
色眼鏡をかけないで 見抜くことが大事
その子の良さを伸ばす 第一歩になる
だから クラスの子どもをよく見てほしい
しゃべって 遊んで その子の良さを引き出していく
ちょっと心配な子が いい顔しているのが嬉しい
困った顔や照れ笑いしながら 安心している顔がいい
力のある教師かどうかは 同僚や校長の評価以上にね
子どもがね 先生大好きだよ
その一言で報われるのが 教師の仕事だと思うんだ
ほんとは 子どもが大好きだって気持ちがなきゃ
護ってあげるっておもいは 伝わらないよね
子どもたちが いい関係を紡いでいくことで
力のある教師に 育ててもらってるんだ
そう思うだけで 無性に嬉しくなるのが共育かな
力のある教師はなりたいと 力むのではなく
その力を子どもらがつけてくれることが わかる教師でありたい
飾らないスッピンの自分と 直に子どもと向き合う
子どもを粗末にしない教師と出会うことが
子どもには マジに幸せなドラマの始まりになる
力ある教師に育つには
子どもを信じて信じて 決してあきらめない
それが 子どもを粗末にしない共育への決意
そこに 人間教師としての太い根っこが育つ
〔2021年5月5日書き下ろし。子どもの日に、子どもらが一番影響を受ける教師について考えてみた。自身がいかに力のない教師だったかを気づかせる〕