5月5日札幌でのテストマラソン後 まん延防止法が発令された
9日505(326)「まん延防止等重点措置」適用初日 初の500人台
10日409(266)
11日420(279)
12日529(352)酒類の提供「終日自粛要請」開始 2度目の500人台
13日712(499)初の700人台 ともに過去最多更新
14日593(346)「緊急事態宣言」発令決定、過去2番目
15日565(344)過去3番目
16日491(322)「緊急事態宣言」発令初日
(括弧内は札幌市内の感染者数 単位は人)
聖火ランナーに決まった瞬間 小躍りした
生涯に1度としてないチャンスに 震えた
1年延期されたが 至福の刻を待ちわびていた
冬の間は 家でストレッチを続けた
雪が融けると 人気を避けて軽くランニングを始めた
春めいて暖かくなると 身体は軽くなっていった
草木の芽がほころび桜の咲く頃から 雲行きは怪しくなってきた
札幌テストマラソンをTVで見ながら 不安が増した
連休明けコロナの感染者は 道内に勢いよく広がった
変異株が北海道に上陸して 猛威を振るいだした
まん延防止法は なんの効き目もなかった
慌てて緊急事態宣言を願いでたら 一蹴された
専門部会が反撃に出て 政府案をひっくり返した
記者会見でのしどろもどろの姿は 失笑を招いた
感染拡大は止まることなく 全国に拡大していく
五輪をやりたい一心が 世論調査で不評を買った
NHKでは内閣支持率35% 不支持率43% 五輪中止49%
共同通信は支持率41・1% 不支持率47・3% 五輪中止59・7%
朝日は支持率33% 不支持率47% 五輪中止40% 再延期40%
コロナ対策の失政や五輪の根拠なき開催発言が 支持率を急落させた
聖火リレーへの期待は 日々萎んでゆく
世界の平和をつなぐ聖火リレーに いつしか疑問すら湧いてきた
汚された五輪精神を広める片棒を掲げて走る後ろめたさも生まれた
インドでは 爆発的な感染で多くの人が苦しみ亡くなっている
中東では イスラエルとパレスチナの紛争が勃発した
ミャンマーの軍部支配は 恐怖政治となっていく
世界のマスコミも 五輪の中止を論じ始めた
現在世界の感染者の累計は1億6200万人余 死者336万人を超える
聖火ランナーを 辞退する人も出てきている
でもこんな小さなマチでは すぐに噂が広まる
やめて肩身の狭いおもいを引きずって 暮らすのは無理だ
やめるにやめられないから いっそ中止と言ってもらいたい
走るには 喜びに満ちた笑顔しかない
沿道の人たちの 温かい喝采がなければならない
いまは 求めることすらできなくなった
1ヶ月を切った聖火リレーまで 心重たく暮らす
毎日のランニングは 続けるしかいまはない
やめるにしても走るにしても 決めるのは自分ではない
そんな苦渋を想像できぬ者たちが 北海道を牛耳る
〔2021年5月16日書き下ろし。聖火リレーに選ばれて晴れて走る日を夢見てきた人の中には、苦渋の選択を迫られている人もいるであろう〕
付記
道内聖火リレー、縮小検討 知事「組織委などと協議」
鈴木直道知事は15日の記者会見で、6月中旬に道内で予定している東京五輪の聖火リレーについて、規模の縮小などを検討していることを明らかにした。緊急事態宣言が発令された地域では公道のリレーが中止されていることを引き合いに「そういったことも考えながら、自治体や大会の組織委員会と協議しないといけない」と述べた。
道内の聖火リレーは6月13、14の両日に行われ、約200人が18市町を走る。4月に行った大阪府は公道走行を中止し、福岡県は点火セレモニーのみとするなど大幅に縮小している。(北海道新聞2021年5月16日)