ルビをふった礼状

教頭「あら、鳥居先生漢字読めないと思ったのかしら?」
担任「この間、低学年の子も読めるね、優しいねと褒めたことがあり、それからルビを打つ子が増えました。内容は読み手のことを意識しているのですが、応用を利かすことはこれからです」

自発的に書いてきた4年生の手紙
「本当(ほんとう)に今日(きょう)は、とても勉強(べんきょう)になって、とても“親切(しんせつ)にしなさい”という意味(いみ)や“ボランティアなのか?”不自由(ふじゆう)な人に人助(ひとだす)けする心(こころ)を大事(だいじ)にしなさい!と言(い)われ、そういう人(ひと)を見(み)たら人助(ひとだす)けしようと思(おも)います!」

3年生の手紙について校長先生はこう書き添えた
「心からの飾らない手紙です。3年生はもっと語りたかったようです。語り足りないところを熱く語っています。先生の後ろにいたロボット役の子は、ロボットの向こうに人のハートを見ています。彼がもし大きくなってロボットを作るなら、全ての人やもの、自然にも心くばりした製品をつくることでしょう」

3・4年生とは『ドラえもんはボランティア?』の勉強をした
「ロボットがいても、自分で出来ることは自分でやらなければならないと思います。困っている人がいても知らん顔せず、みんながやさしい心を持って助け合える世の中になるよう、わたしもがんばりたいです」

5・6年生との『めだかのめぐ』を参観した母親からの感想文
「すごい、あ~って感じがした。小1からすでにそういう感覚でいたっていたこと。自分じゃそんなこと気づいていなかったから、びっくりした。そういう感覚を早く自分の中から消し去って、自分の子にはそんなことを思わせないようにしたいです」
「ボランティアって全部同じ事で片方が何かをしてあげて片方が何かをされる側だと思っていたけど、両方で問題を片付けていく事がボランティアだと言われたときに、いままでやってきたことは何だったのかなと思いました!」

「子どもたちはもっともっと多くのことを語りたかったようです。読んでやってください。児童のこの気持ちを大事に育てていくことが、私たちに託された仕事と、決意を新たにしています。先生におかれましてはお忙しい数日間でしたが、島根の子どもたちにとっては、先生と語り合い、お考えに触れ、これからの自分たちの生き方を考えられた日々でした。また子どもたちの“おじさん”としてぜひいらしてください」

学校の空気が あたたかくゆったりと流れていた
先生たちには 子どもと向き合う心のゆとりを感じた
校長先生のおもいに 子どもを真ん中にした共育を見た

〔2021年5月23日書き下ろし。20年余も昔、共同研究者で福祉教育の牽引者である松江の山本寿子先生の導きで、市内、島根県内の小・中・高の学校で「福祉の公開授業」をさせていただいた。保護者からの貴重な感想文も手元に残っていた〕