怨嗟(えんさ)を生む

恨みの根は 深く心の奥底に広がった
不公平感が 沸々と湧き上がり抑えきれなかった
どれだけ我慢すれば この苦境を乗り越えられるだろうか
どれだけ規制を守れば 倒産を回避できるのだろうか

感染拡大は高止まり マスクと往来自粛の間の抜けたお願いをする
科学者すらも置き去りにして 科学的根拠もなく五輪開催に邁進する
宗教がかったIOC信奉者は ただただワクチン接種を神頼みする
言うことやること的外れで IOCも顰蹙(ひんしゅく)を買う

ワクチン接種は 予定は未定であり決定にあらず
願望だけを押しつけて 不公平感を増幅させる
不信の梅雨を晴らすことができぬ為政者たちは
怨嗟の声に耳を塞ぎ目を閉じて いまはただ五輪を拝む

怨嗟の声に 6月の心は陰りが覆う
怨嗟の声で 6月の空は濁りを増す
怨嗟の声は 6月の世を嘆きで満たす

※怨嗟(えんさ):ある人や物事に対して怒りや不満を持って、その思いを外に出すこと。

〔2021年6 月2日書き下ろし。6月ワクチン接種がどこまで広がるのか。当たり前のことを為しえなかった「つけ」を秋には払っていただきましょう〕