着古した上着を脱いで
夏の真っ赤な陽ざしの中に
心を解き放す時が来た
カビの生えた家を出て
夏の透きとおった青空の下で
心を熱く燃やす時が来た
歓喜に沸く街にいて
真夏の夢見る群れの中で
心が砕ける時が来た
歓声で沸くアリーナで
真夏以上の熱気を浴びて
心を高ぶる時が来た
夜の街の喧騒に紛れ
熱帯夜に狂気の叫びをあげて
心を麻痺させる時が来た
厭世を振り払う享楽にふけ
祭りに人に酒に酔いしれながら
心が恐怖に突き落とされる時を待つ
〔2021年6月12日書き下ろし。五輪開催はG7でも支援すると国民無視の馬鹿げた会議が行われている。恐怖の時を待つしか選択肢はないのか〕