臆病者は 戸惑うばかりで
いつも誰かの言いなりだった
オロオロするばかりで
何も自分で決められなかった
臆病者は 人影に隠れるばかりで
いつも自信なげにうつむいていた
オドオドするばかりで
何も自分から始めることはなかった
臆病者は わたしに出会った
いつか目を懲らすようになった
ドキドキするばかりで
何かが心を動かし始めた
臆病者は わたしが忘れられなくなった
いつしか強く意識しだした
ズキズキするばかりで
何かが心を叩き始めた
臆病者は わたしが何ものかを知った
いつも抑えてきた本心だった
ジリジリするばかりで
わたしが心を刺激し始めた
臆病者は わたしを忘れていた
いつも触れずにいた感性だった
キラキラするばかりで
わたしが心を揺さぶり始めた
臆病者は わたしが必要だと知った
いつもそばにいた自律心だった
清々(すがすが)しいばかりで
わたしなしでは もう生きられなくなった
臆病者は わたしに導かれていく
いつも護るべき自由意思だった
毅然とするばかりで
わたしらしく生きることの存在理由となる
〔2021年6月13日書き下ろし。人はその人なりの存在をどのように見出し変えていくのだろうか。臆病者の自分にも、ようやく少し分かりだしてきた〕