父の日の娘からのプレゼント
「紳士な手帳」(商品名)
シルクのような滑らかな書き心地の紙質
万年筆が 紙の上をさらりと踊る
娘推薦の言葉の受け売り さらりと流した
翌夕おもむろに手帳を取り出し試し書きする
太字の万年筆の青インクが 紙に馴染むように滲みる
詩『いまを描く』(2020年5月18日自作)を 書き写す
用紙は 方眼のマス目で列は乱れない
見開きページに 縦書きする
そのうち書き慣れてくれば
マス目を無視して 文字も躍り出すだろう
行数が多いときには 細字の万年筆を使のがいい
楽しみは明日にとっておこう
「紳士な手帳」は 似合わぬだけに照れくさい
「真摯な手帳」に 時間をかけて仕上げたい
いつかこのノートは 娘たちの手に残こされるだろう
自作の詩を自筆で綴った「たった一つの詩集」
それもまた悪くない
それまでは 親父が詩に託したおもいを静かに記そう
父の日のいつもの酒は 「紳士な手帳」に変わった
万年筆の活躍の機会が出来て 幸いだった
自由に万年筆を踊らせて 書き続けることにしよう
創作意欲を喚起する 娘の作略に見事にはまった
これが父の日の最良のプレゼントかもしれない
〔2021年6月21日書き下ろし。日記を書くのは苦手だ。それよりも好きな自作の詩を書き留める方が楽しいに違いない〕