岩見沢市民会館に 空知管内7市12町から
133名の 民生委員が集まった
コロナの影響で 2年越しの新任研修を開催した
514席の中ホールは 感染予防対策で
前後左右かぶらぬよう 指定席だった
ステージの演壇は 木枠に透明シートが貼られていた
マイクは完全消毒が徹底され 一人1本だった
岩見沢の民生委員6人が登壇した
マイクが6本しかなく まわして使うことができない
だから この6人には最初から最後までお付き合い願う
演壇は上手に置き。中央に並べられた椅子に座った
何かが起こる予感に 観客席は6人に注目する
ワークショップが始まった
冒頭本来のワークショップができないことから
皆さんを代表して 6人の方に協力いただき
劇場型ワークショップを行いますと 6人を紹介した
指名は 名簿の今日の日付21番から順に6人を選んだ
ステージに上がるまで 全く面識はなかった
詩集『情緒は私を支配する、論理よりも強く』
テキストには、48編の詩と2本のシナリオが
90ページにわたり紹介されている
これを90分で消化するのは とうてい無理である
だから 朗読できなかった詩はお土産だと伝えた
導入に『他人の靴を履く』の一節を引用した
「言葉は思い込みを溶かす。固まっていたもの、凍っていたもの、不変だと信じていたものを溶かして、変える」
詩を通して 何かしらの前向きな変化があれば嬉しいと
情感に迫ることに 許しをもらった
早々に シナリオ『稼いで半人前』の上演
「一粒の種」と名付けた にわか朗読集団
初めて目を通す台詞を 心情豊かに見事に演じきる
これで今日はいけると 確信した
詩は6人と代わりばんこに 朗読した
時には その詩の感想を話してもらうこともあった
2時間半で設定したワークショップは 90分しかない
コロナ禍で全体の時間が半分となり 詩の大半を残す
それでも時間のかかる二つ目のシナリオ
『自分のネットワークを作ろう』にこだわった
この6人で演じる世界を味わって見たいと思った
案の定 見事な台詞回しで 会場から小さく拍手がわいた
言葉は 情感豊かに表現されることで
素直に心に響き その意が受け入れられる
初見しただけで その情景や心に動きを想像する
「一粒の種」のメンバーが 思い込みを溶かす
6人という集団が一つに溶け合い 自らを変えた
「一粒の種」がメンバーによって
このワークショップで 蒔かれていった
時間は押していた
テキストの未消化を謝罪した
いつもなら『めんこいしょ』で〆(しめ)るが
女性の朗読が聴きたくて 指名した
小さないのちへの限りない愛の詩は 静かな余韻を残した
※『他人の靴を履く』プレイディみかこ著、文藝春秋、2021年6月刊。
〔2021年7月22日書き下ろし。ようやく解禁となった矢先、今日札幌は百人を超えた。札幌を中心にまん延防止法の発令は近い。仕事がしたい〕