五輪下感染列島ジャパン

稚内で 島の人たちに会った
利尻島と礼文島の人だ
島に来る人たちは マスクもせずに島内を歩き回る
島は感染してないから 安全地帯だと嘯(うそぶ)く
島の人たちには マスクは決して外せない日が続く

28日 全国最多9583人
東京都3177人 首都3県2498人
埼玉 千葉 神奈川 大阪は 緊急事態宣言を検討する
北海道も2ヶ月ぶりに200人超えの227人
要請しているまん延防止法は 五輪マラソンが終わるまで棚上げか
札幌市長は 緊急事態宣言レベルと危機感をあらわにする
知事はいつものポーカーフェイスで 要請のポーズを取り続ける 
国が躊躇している間に 道内の観光地はリスクを抱えるしかない
  
「人流は減少している。心配ない」
たったそれだけの根拠で 五輪中止はないと強弁する
説得力が皆無のリーダー 信頼を失った言葉はいつも霧散する 
外出自粛と移動の制限 五輪も家で少人数での応援を要請するだけ
一方で五輪は粛々と進み メディアはこぞって熱狂ぶりを毎日煽る
空回りする感染対策と 狂気の果ての東京五輪

夏の大移動が 感染を拡大する
観光地は軒並み 感染者を増やす
1日1万人は もう目の前だ
医療現場は病床が圧迫され 緊急医療も手術も縮小される
医療者の献身的な治療は 限界を超えていくだろう
五輪をやっている場合かと 当たり前の批判が表面化する
不安を増幅させる事態の収拾まで どれだけの犠牲を強いるのか
都合のいい数字を切り貼りするのは すでに見透かれた
リスクの限界数値を 示すしかないだろう
社会の認識を変えるカンフル剤は いとも簡単
「五輪中止」

〔2021年7月28日書き下ろし。熱波が続く。その最中に病気に罹るのは辛い。稚内の二十代の若者も夕方熱中症に罹ったと本人から聞いて驚いた。いのちを護るにも、ひとりでは難しい。まずは身近な者たちが今一度予防策を確認して実行しよう〕