広瀬爽彩(さあや)さんのご冥福を心よりお祈りいたします
少女は助けて欲しかった
誰も本気で助けようとはしなかった
少女は信じたかった
誰も少女の言葉を信じなかった
少女は川に入った
少年らはヤバいと思った
少女は転校した
学校は肩の荷を下ろした
2月厳冬の旭川の街で死に場所を探す
公園でうずくまり凍死した
3月雪が融け発見されたときはまだ凍っていた
文春砲で教育委員会や学校の対応のまずさが曝かれた
市教委は釈明に追われた
おぞましい事件の実相が次第に浮かび上がってきた
警察の事件の処理も加害者の処分も疑義を生んだ
いじめというレベルを超えた凄惨な事件
一人のか弱き少女が受けた性的虐待
助けを求めても真剣に受け止めなかった担任教師
不作為を決め込んだ市教委と学校管理者
一人娘を失った母親の訴えは悲痛である
「『10人の加害者の未来と、1人の被害者の未来、どっちが大切ですか。10人ですよ。1人のために10人の未来をつぶしていいんですか。どっちが将来の日本のためになりますか。もう一度、冷静に考えてみてください』これは、教頭に言われた言葉です。
私は、爽彩がいじめに遭っているのではないかと、学校、教育委員会に何度も相談しました。学校、教育委員会は、爽彩も、家族も、だれも相談することはなかった、いじめの認知には至らなかった、などと繰り返し主張しています。教育委員会の態度は、『いじめ』をもみ消そうとしているようにさえ見えます。…第三者調査委員会は、だれが、どこで、どんな調査をしているのか、全く公にしていません。貴重な情報を持っている人がいても、これでは情報を提供する先がないに等しいと懸念しています。今後、もし、何か情報をお持ちの方がおられたら、旭川いじめ事件を担当する弁護団に、情報をお寄せ頂きたいと思います。爽彩のメッセージを後世に伝え、教訓として残すため、どうか、皆さまの中で情報をお持ちの方がおられたら、弁護団に情報提供して下さいますよう、お願い申し上げます」
第三者委員会辻本純成委員長の談話に強い違和感を覚えた
「地域の人たちが安心して暮らせるよう、役に立つものを残したい」
地域の人ではなく 子どもが学校で健やかに育つよう
広瀬爽彩さんの死に 教育者と加害者は真摯に向き合うことではないか
不信を抱かれる第三者委員会の透明性と迅速かつ適切な調査が急がれる
市教委や学校に与することは決してあってはならない
母親へのすみやかな納得できる報告が待たれる
〔2021年8月22日書き下ろし。母親の手記を是非読んで欲しい。第三者委員会の事実の究明は旭川の市教委と学校教育のあり方を検証すると信じたい〕
付記
聞き取り調査、7月にも着手 旭川中2死亡で第三者委
旭川市内で3月に遺体で見つかった当時中学2年の女子生徒について、いじめとの関連を調べる市の第三者委員会の第2回会合が4日、市内で開かれ、関係者への聞き取り調査を来月にも始める方針を決めた。空席だった委員長に市内の弁護士の辻本純成氏を選出、委員に新たに弁護士3人を追加し、計11人へ体制を強化する。
今後は聞き取りのほか、女子生徒を巡るトラブルを見聞きした可能性がある生徒らへのアンケートも行う。委員長に就任した辻本氏は「地域の人たちが安心して暮らせるよう、役に立つものを残したい」と述べた。(北海道新聞2021年6月5日)
「加害者にも未来がある」教頭の言葉に涙…”いじめ”調査めど立たず
北海道旭川市の公園で当時14歳の女子中学生が遺体で見つかった問題で、8月18日に開かれた遺族の弁護団の会見で、遺族の手記が公開されました。遺族は「何があったのか知りたい」とし、情報提供を求めています。
この問題は2021年3月、旭川市内の公園で当時14歳の広瀬爽彩さんが遺体で見つかったものです。広瀬さんは2019年4月に旭川市内の中学校に入学後、6月に複数の小中学生に囲まれる中、川に飛び込む自殺未遂を起こし、8月に別の中学校へ転校。2021年2月に行方不明となり、3月に遺体で発見されました。旭川市教委は4月に「いじめの重大事態」と認定し、いじめがあったのか第三者委員会で検証を進めています。遺族は真実を知ってほしいと実名と手記を公表しました。…(北海道新聞2021年8月19日)
旭川中2死亡「事実究明願う」文科相
萩生田光一文部科学相は20日の閣議後会見で、旭川市内で3月、中学2年広瀬爽彩さん=当時(14)=が遺体で見つかり、いじめを受けていた疑いのある問題について「適切に一つ一つの事実が究明されることを願っている」と述べた。萩生田氏は市教委、道教委に対し、これまでも「迅速かつ適切な調査」を指導してきたと説明。第三者委員会による結論を待つ考えを示した。母親の代理人弁護団は18日、同市内で記者会見し、生徒の氏名や、母親の手記を公表していた。(北海道新聞2021年8月20日)