明かりを灯せ

もっと明かりを
この闇の深淵を照らせ
もっと明かりを
この闇の恐怖を照らせ
もっと明かりを
この闇の死霊を照らせ

一筋の光よ
無力な言葉に支配された闇を突け
楽観に溺れた混沌の闇を裂け
希望を拒むコロナの闇を射よ

明かりを灯せ
不信と憎悪に支配された闇を葬れ
もっと明かりを灯せ 
欺瞞の塊の不誠実な闇を打ち砕け
明かりを灯せ
トリアージの不条理な闇を許すな

一筋の光よ
無慈悲に遺棄される民に救いの光となれ
為政者の罪と罰を白日の下に晒す光となれ
民心を恐れぬ愚者が悔い改める光となれ

〔2021年8月26日書き下ろし。明かりを感じる? まだまだ闇の中でしかない。自宅療養などと平気で惑わす指導者の言葉に真実はない〕

付記
首相、コロナ対策「明かり」強調 「私の言葉への厳しい指摘受け止める」
新型コロナウイルス感染症対策本部を開催し、北海道、宮城県、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県、岡山県、広島県に緊急事態宣言を発出し、高知県、佐賀県、長崎県、宮崎県にまん延防止等重点措置を適用し、期間は8月27日から9月12日までと決定した。全国的にこれまでに経験のない感染拡大が継続している。各地域の病床の状況などを踏まえ判断した。医療体制の構築▽感染防止▽ワクチン接種――の三つの柱からなる対策を徹底していく決意に変わりはない。自宅療養者に対しては、最初に受診した診療所などで健康観察などを行う体制を速やかに構築する。「野戦病院」をつくるべきだとの指摘をいただいたが、酸素の投与を可能とする緊急の施設をさらに増やす。
9月の新学期を控え、できる限り教育の機会が損なわれることのないよう対策を進める。全国一斉の休校の要請は考えていないが、学校や自治体が休校などの判断を適切に行えるよう速やかにガイドラインを示す。
ワクチン接種は50歳代を含め着実に接種を進める。デルタ株のまん延で感染者を抑えこむことは容易ではない。しかしワクチン接種が明らかな効果があり、新たな治療薬で重症化を防ぐことも可能だ。明かりははっきりと見え始めている。(毎日新聞2021年8月25日)