庶民願望

江戸の中期に流行った戯れ歌
現代(いま)の政治への庶民の心境を歌ってみたい

聞いてみたいもの 総裁選不出馬の本音
剥(は)いでみたいもの 真っ黒な政治家の腹の内
当たってみたいもの 宝くじの如し次の首相
割ってみたいもの 政治家のスケベな根性
祈ってみたいもの コロナの収束しかない
振ってみたいもの 既成政党への投票権
数えてみたいもの 緊急事態宣言解除の日
撫でてみたいもの 辞任する首相の頭
殺してみたいもの コロナウイルスしかない
広げてみたいもの 政治への見識

現代の庶民の暮らしぶりも歌ってみよう
聞いてみたいもの 明るいニュース
剥いでみたいもの まとわりついたコロナ生活
当たってみたいもの 明るい予感
割ってみたいもの ルール無視する輩の頭
祈ってみたいもの 今の暮らしからの解放
振ってみたいもの 移動自粛と外呑み規制
数えてみたいもの 1万円札の束
撫でてみたいもの 可愛い赤子の手足
殺してみたいもの 偏屈に染まるこころ
広げてみたいもの 希望ある未来

〔2021年9月3日書き下ろし。昼前菅義偉首相は総裁選出馬を辞退した。短命内閣のあっけない幕切れ。江戸の戯れ歌におもいを重ねた〕

付記
菅首相が辞意、総裁選に不出馬 就任1年、求心力低下
菅義偉首相は3日、辞任する意向を固めた。自民党臨時役員会で総裁選(9月17日告示、29日投開票)に立候補しないと表明した。新型コロナに関する政府の対応が不十分との批判が続き、次期衆院選を前に求心力低下の責任を取る格好だ。新たな首相が選出されるまで新型コロナ対策を中心に職務を続ける方針だが、菅政権は就任から約1年での幕引きとなる。自民党の二階俊博幹事長は後継を選ぶ総裁選を予定通り実施する考えを示した。
その後、官邸で記者団に「新型コロナ対策と総裁選の選挙活動には莫大なエネルギーが必要であり、両立できない。コロナ感染防止に専念したいと判断した」と述べた。(共同通信社 2021年9月3日)