5日「東京五輪開催に反対する作家/小説家/作曲家/学者/ジャーナリスト/元外交官の集まり」が、声明を出した。
賛同者のひとりとして、政府に要求してきた三つのことを転記する。
第一に、オリンピック・パラリンピックの強行に見られるような新型コロナ対策の混乱につき、政府は深く反省し、今後は政策の立案・実施に当たっては国民の声に真摯に耳を傾けること。
第二に、コロナ渦の中で社会的弱者への配慮を手厚くし、誰もが生きやすい社会を作ること。
第三に、オリンピック招致運動以来、一貫して関与してきた大手広告企業が国際社会において日本人の倫理観、価値観に深刻な疑問を抱かせたこと、少なからぬ不祥事、混乱をももたらしたことなどにつき、政府から独立した中立的な調査委員会を設け、これら諸問題の実態につき、検証を行うこと。
五輪終われば 検証なんてお茶を濁してスールする
総裁選でトップが変われば 五輪なんて過去のこと
組織委員会解散すれば 誰も責任なんて取るはずない
上級職員は 大枚の報奨金でホコホコしながらグッドバイ
うだうだと いつまでも五輪に構っていられない新政権
総選挙は コロナ対策と経済回復で危機回生に全力投球
五輪終われば 総裁選でお遊び始まる
ワクチン担当すこぶる失敗しても 人気トップで総裁目指す
派閥のドンらは バカ騒ぎの裏で暗躍し傀儡探す
聞く耳持たぬ者たちは これからも平気な顔して統治する
敵失に野党は埋没 掲げた政策ビジョンにもなぜか虚しさ募る
五輪終われば ひたすらコロナが残る
ワクチン接種の推進と集団免疫力の浸透が 社会の希望と主張する
規制を徐々に解いてゆく その先に経済が回ってゆくと信じてる
その光を見せれば IOCとバッハの醜態どうでもよくなる
五輪の後始末に汲々とすることなく 旧態依然とした政治は回る
五輪終われば 規制された日常が戻る
12日解除予定の緊急事態宣言は 延期されるだろう
コロナからの解放まで 力をためてじっと待つ
忍耐とルール順守が 希望をもたらすと信じたい
庶民のド根性が 社会を動かすエネルギーに点火するその日まで
五輪が終われば アスリートも日常に戻る
世界から集まったオリパラの選手の無事を祈る
感動のお礼と苦難が待ち受けている人へエールを贈りたい
IOCと政府と東京都の貪欲な願望を 満たすだけだった
共生を貶(おとし)めた五輪は 二度と誘致してはならない
共有された教訓だけは 歴史に深く刻もう
橋本聖子組織委員長 30年の札幌五輪誘致に意欲を示す。
恥辱に塗れた東京五輪の評価なく 懲りずにバッハの手先となる
札幌市民のひとりとして IOCの金満主義と専制者の触手を拒否する
〔2021年9月6日書き下ろし。5日パラリンピックが閉幕した。意地を張らずにテレビ観戦すればよかったと後悔する。観客の声援があればもっと素晴らしいパフォーマンスが発揮されたことだろう。開催を強引に決定した者たちこそ糾弾されるべきだと確信がいった〕
付記
札幌五輪でも組織委会長に 橋本氏、依頼あればと意欲
東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は6日の記者会見で、2030年の札幌冬季五輪招致が実現し、組織委会長の就任を求められた場合、受諾する考えを示した。「依頼があれば、ぜひ受けたい」と意欲的に語った。
30年冬季五輪は、札幌市が開催を目指している。橋本氏は新型コロナウイルス禍で開催された東京大会を通じ「良い経験をさせてもらった」と強調。同時に「今度は完全な形で、フルスタジアム(満席)で国民の笑顔があふれる大会を目指したい」と述べた。(北海道新聞2021年9月6日)