青虫と大根の葉

初めて秋大根の種を蒔いた
おでんにしようと企んだ
芽が出てしばらくして間引きした

葉も大きくなってきた矢先
突然虫に食われ始めた
自然の摂理とわきまえてほったらかした

虫の侵攻は止まるところを知らず
葉脈を残すばかりとなった
骸骨みたいな無惨な姿をさらした

今朝何気なく間近で観察した
葉脈に沿って青虫が張り付いていた
全く気づかなかった

無農薬で枝豆もトマトもゴーヤーも育ってきた
多少虫に食われても分かち合いを楽しんだ
ここまでやられた以上はちょっと許せなかった

青虫を一匹ずつ指でつまみ退治した
さてさて無知なる失敗から回復するのか
これからの大根の観察が楽しみになった

いのちを喰(く)らうものとのせめぎ合い
小さな畑で起こった生存競争
そこに人間の欲が絡んで青虫は駆除される

権力を弄(もてあそ)ぶ大根役者のせめぎ合い
三人三様でも同根でしかないお粗末さ
そこに改革の芽があれば青虫に駆除される

〔2021年9月16日書き下ろし。どの世界にもいる青虫、監視は続けることにするか〕