毒が回る

アレルギー体質ではない
何を食べても無事だった
22日の昼は新そばを仲間と味わった
いつもの鴨南蛮せいろ大盛り
香りも喉越しも最上だった

夕方発疹が出た
またかと思った
8月から月に一度お会いする厄介者
夏は確かに虫に刺されたが傷口がエグい
両腕の数カ所がうんで完治まで1週間を要した
9月はさらに進展して両足にまで及んだ
虫刺されではないと確信するが
かゆみがとんでもなく強くてしんどかった
かかりつけの医院も旗日の連休を挟んで休み
手元にあったかゆみ止めを塗布して1週間でようやく治まる

今回症状が違うのに気がついた
両肘がかゆいサインを発した
両手腹背中首と所構わず侵略する
今朝小さな水膨れまで出ていた
こりゃヤバいとかかりつけの医院を検索
またも職員研修で休院と出た
近隣の皮膚科を検索してすぐに走る
診察した医師は頭をひねり院長を呼ぶ
庭仕事しましたかと尋ねられた
この1週間は出張で庭に出ることもなかった
虫に刺された症状!?
ダニ? でもこの出方は?
中堅の医師もやってきて3人で協議
原因がつかめぬまま症状を見て診断が下された
飲み薬と塗り薬を処方された

もしかして虫に刺されたのかも知れない
刺された意識を感じることなくやられてしまった
鈍感になった皮膚の痛みのセンサーが診断を迷わせる
3ヶ月も皮膚炎にたかられるとは思いもしなかった
虫の毒の一針が全身を回り抗いきれずに発疹を生ずる
微量であっても苦しめるに十分な毒の効用は恐るべし

世間に毒を振りまいてきたブーメラン
そう苦笑いしながらかゆみに耐えるしかない
因果応報にしては可愛いほうだと笑うしかないか

〔2021年10月23日書き下ろし。痛みよりも痒みはいやらしい。一日も早い回復を待つしかない。25日夜現在まだ居座っている〕