コクワ酒を造る

コクワが2キロ半 十勝から届いた
去年は コクワ酒をもらった
今年は 現物がやってきた

いまでは山深く入らなければ 手に入らない
羆やエゾシカとの争奪戦ともなる 奥山の貴重な果実
甘く香り豊かな山の幸
キウィフルーツのスモールサイズ

さっそく 果実酒にする段取りを始めた
容器を買ってきたら 小さくて取り替えに走った
焼酎ではなく ブランデーにトライした
氷砂糖は控えめにして 大人の味にする

コクワの茎を取り 水洗いする
キッチンペーパーで 十分水気を吸い取る
熱湯消毒した5リットル容器に入れる
果実酒用のブランデーを3リットル入れる
氷砂糖を入れて蓋をした

3ヶ月で実を取り出して
半年かけて熟成させる
春にはうまいコクワ酒が飲めそうだ
納戸で静かにその時を待つ

採取された方の労苦を忍び 感謝しかない
こんな貴重な酒は 一人で味わってはいけない
山の神の恵みを ともに分かち合う人がいて
振る舞い酒は 心の芯まで楽しく酔わせる

※サルナシ(猿梨、学名:Actinidia arguta):コクワとも呼ばれる。日本、朝鮮半島及び中国などの低山に見られるツル性の木。他の木や岩に絡んで生い茂るように育つ。実は小さな梨のようで、猿が好んで食べるためサルナシと名付けられた。

〔2021年11月7日書き下ろし。山の神の恵みをいただくには、まていに始末することで自然への畏敬の念を示すことかと〕