虚脱感が襲う

一年間取り組んできた執筆も
ようやく最終章を書き終えた

充実感や達成感以上に
なぜか虚脱感が襲った

気持ちと書く手が空回りした
こころが置いてきぼりを食っていた

詩を書く気力は湧き上がらなかった
創作を避けるように気を紛らわした

空腹感はさすがに我慢できなかった
寝不足は満腹感を受け入れ午睡した

夕方ようやく回復の兆しを感じた
でもキーワードは浮かんでこなかった

出張中に溜まった資料の整理を優先した
一抹の期待を込めて集中した

心に引っかかることは何も起きなかった
世相の動きにも鈍感になっていた

はたと気づいた
この虚脱感を書くべきだと

安直な発想で書き出した
いまの心境を印しておくのも悪くない

勝手な解釈は納得するに足りた
明日感度が戻ることをいまは願おう

〔2021年11月13日書き下ろし。何か不思議な感覚だった。一つ終わると次のことが待っている。明日は約束したことの準備がある。だからいい骨休めの一日となった〕