歩くということは
こうも疲れるものなのだろうか
用向きで久しぶりに街中に出た
重い荷物をバックに背負った
肩にかかった重さは腰にも感じる
滑りやすくなった横断歩道は
転ばぬよう用心深く渡ると赤に変わる
マスク越しの呼吸は息苦しい
すぐに眼鏡は曇り視界不良となる
しまいに眼鏡を手に持ち歩くしかない
用向きは終わり家路につく
混み合った地下鉄に乗った
シルバーシートが空いていてよかった
暗くなった家路を急ぐ
向こうから人が来るまでマスクを外す
来たら素早くマスクして過ぎれば外す
眼鏡が曇らぬことと呼吸を楽にする対策だ
帰宅してスマホの歩数記録を見た
9000歩
これだけでこの疲労感はなんだろう
歩き疲れた身体は
休息だけを求める
歩き疲れてしまうと
ひたすら無気力となる
歩き疲れてしまったら
言葉すら浮かばない
妻からの心配の声をよそに
食後すぐに布団に入った
初めてのことだった
老いは確実に身体を支配してゆく
〔2021年12月28日書き下ろし。また一つ老いるを如実に体験する〕