文章をいじる

若者が書いたレポートを熟読する
右手に赤ペンをもって臨む
最初の3ページは徐々に真っ赤に彩られてゆく

若者の考察のあら探しを愉しむ
ゆうに2時間の時間を要した
集中力が徐々に落ちて何度か中断する

若者の伝えたいことを深読みする
一つの言葉にひっかかり前に読み進めない
違和感を覚えたままでは引き下がれない

若者の言い回しに困惑する
主語はどこだろうかと探し始める
長文はどこで切ったらいいのだろう

仕事へのおもいは溢れんばかりだ
言葉も率直なおもいを飾って損をする
意地悪ではないと思いつつ直しが入る

要は事実と意見を明確に分けなければならない
要は根拠と推察を明確に示さなければならない
要は読み手が正しく理解し納得しなければならない

ただのレポートではない
読み手に行動を喚起する文章だ
個人のレポートではない
書き手により組織が動く文章だ
熱いおもいを込めたレポートだ
添削の手を緩めてはならない文章だ

だから真剣に臨む
それが若者への礼儀である
そこで若者が育ちゆくと信じる

〔2022年1月17日書き下ろし。まだまだ終わらぬ添削作業。その途中の様子を書き残す〕