そろばん道路とエッセンシャルワーカー

札幌の積雪は90センチ
例年より20センチ多い
国道12号線は片側1.5車線でアスファルトは出ている
ただ両側は2メートル以上の壁が出来て歩道も歩きにくい

脇道に一旦入ると車一台通れるかどうかの狭い道
轍(わだち)が車を左右に揺らす
時にスリップして人手を借りて脱出作業が始まる
緊急車両も乗り入れるのは難しい
排雪は一向に進まず雪の融けるのを待つしかないのか
融けても排水溝が塞がれ溢れた水が悪さをし続ける

繁華街は算盤道路状態で半球状態の氷が道幅いっぱい覆う
毎日零下10度以下では日中融けた氷も再び凍りつく
凸凹の上を車がバウンドしながらゆっくり走る
すれ違うのも至難の業でヒヤヒヤものである

車が敷地から出られないことを嘆く人の声は多い
そんな道を今日も定時でゴミ収集車は回収作業に追われる
そんな道をガスボンベを積んでトラックがやって来る
雪に埋もれたボンベを雪をかいて取り替える
ついでに裏口の雪をかいて道さえ付けてゆく
灯油の配達も厳寒期には欠かせない
大きなタンクに入れていても消費が早い今冬だ
家に閉じ籠もる生活はネット販売や生協の宅配を頼みとする
荷物を配達する人たちも遅配は言い訳にせず雪道を行く

北国の厳冬期で積雪の多い地域で暮らす人たちには
日々の暮らしを支えるエッセンシャルワーカーが頼りだ
コロナやインフルエンザに感染して戦力ダウンするのが怖い
行政はライフラインを維持する人たちへの支援をどれだけしているのか
全国で3回目のワクチン接種率がたった2%と聞いて岸田首相は声を荒げた
年寄りは出歩かず家で嵐の去るのをじっと待つしかない
エッセンシャルワーカーは待つ人の為に動かざるを得ない
その人たちにこそ優先的にワクチンを接種してほしい

有難うの感謝の気持ちを込めて
我欲を抑える日々を送ろう

〔2022年1月26日書き下ろし。久しぶりに12号線を走る。出入りの多い脇道も車一台の幅しかない。さらに枝道はゆうに及ばず。そこでゴミ収集車を見て感謝の念を抱いた。この日道内の感染者は2000人を初めて超えた〕