不気味に変異したウイルスが忍び寄る
防御しても為すすべもなく突破される
当初の目論見は崩れ重症者も死者も出る
爆発的な感染拡大に茫然自失の体を晒す
専門家も行政も2年の経験値は用を為さず
ひたすら現状の対処療法にあたふたする
全国各地で過去最大の感染者数を日々更新する
予防対策の第3回ワクチン接種の実施も心許ない
検査もままならず自宅療養の号令をかけるだけ
保育園や学校で濃厚接触した子は母にすべてを任される
幼子は理解できずに不安とストレスをためて涙する
自宅療養を余儀なくされた感染者は悪化に不安を募らせる
在宅ケアを受ける人も介護者も疲弊するばかり
医療機関にもかかれず苦しむ人がドンドン増える
治療薬の量も投与されているのかも情報は皆無だ
感染拡大を煽るよりも実情に報道の基軸を置くべきだ
特に障がい児者やケアを必要とする家庭へのサポートを重視すべきだ
そのためにはエッセンシャルワーカーに頼るしかない
この困難な状況を少しでも改善し解消するには人の手しかない
国会で論じるべき〈いま〉からっぽやみの弁しか聞こえてこない
自治体は多くの業務がコロナ関連で忙殺される
優秀かつ専門的な能力集団とは言い難い自治行政の体制も
コロナ禍で行政手腕を鍛えられていくしかない
まん延防止等重点措置では従来の抑制効果は厳しい
経済活動と感染抑制の両立はいまさらながら難しい
「ステルスオミクロン」が大手を振って〈いま〉拡散する
※べんこふる:お弁チャラを言う。お世辞を言う。
※からっぽやみ:役立たず。怠け者。
〔2022年1月28日書き下ろし。岸田首相とも頻繁に接触する磯崎官房副長官が、新型コロナウイルスに感染した。東京はこの日1万7631人、死者3人を確認した。1日の感染者8万人を超えた〕
付記
▲オミクロン株の派生株の一つはPCR検査で発見しづらく「ステルスオミクロン」と呼ばれているそうだ。欧州やアジアで拡大し、日本にも上陸した。より感染力が強いという分析もある▲新型コロナウイルスの流行が始まって2年。さまざまな変異株が生まれたが、感染急拡大の局面での新顔登場には身構えざるをえない。これまでの対策で十分か。検討が急がれる。(毎日新聞2022年1月28日余録一部抜粋)