理非曲直の世界

事に当たって考え方を確かめる
言葉の使い方を確かめる
普段の行いを確かめる

道理に合っている根拠は何か
正しいと主張する根拠は何か
善を為すと考える根拠は何か

失言は自分を守る嘘か
失笑は蔑む傲慢さか
失敗は責任転嫁することか

自己本位の価値観が正当だと訴える
自己中心の倫理観が人道だとうそぶく
自己主義の道徳観が教育だとすり替える

自己の覇権統制を万全にする
自己の強権体制を維持する
自己の独裁政治を継続する

征服欲は尽きることはない
支配欲は涸れることはない
自己愛は事を為すモチベーション

自己超克を拒否する者たちが
世界を混沌へと加速させる

※理非曲直(りひきょくちょく):道理にあっていることとはずれていること。道徳的に正しいこととあやまったこと。
※自己超克(じこちょうこく):フリードリヒ・ニーチェによって提唱された言葉である。自己が置かれている現状を超えるような価値を創造したり道徳を形成することから、人間としての本来あるべき自己を形成していくということである。

〔2022年1月31日書き下ろし。ロシアの侵攻、中国の圧政、北朝鮮の挑発、米国の凋落などなど、きな臭い世界の状況はその指導者がしのぎあう結果である〕