again

again
再びの道に立つ
挫折も屈辱も味わったこの道
転落し失意のどん底にいたこの道
感情の襞は醜態化していた

again
再びの道に踏み出す
人間不信と自己否定が渦巻いていたこの道
孤独と劣等感にさいなまれたこの道
感情の襞は無惨に切り刻まれていた

again
再びの道を歩き出す
ためらいと後悔が行く手を阻むこの道
不安と弱気が気力をくじくこの道
感情の襞はいまだ過去を引きずる

again
再びの道を歩むしかない
立ち止まることは許されないこの道
ふり返ることを断ち切ったこの道
感情の襞は修復を求めた

again
再びの道を歩き続ける
いのちのときめきを取り戻すこの道
苦悩と絶望の中に見える希望のこの道
感情の襞は恐怖心を和らげていく

again
再びの道はしっかりと時を刻む
いのちある限り歩かねばならぬこの道
いのち尽きるまでにけりをつけねばならぬこの道
感情は不用な襞を剥ぎ平穏な襞をまとい始める

〔2022年2月19日書き下ろし。苦悩を抱えて人は自らの道に生きなければならない。人生のけりのつけるとき、感情は穏やかであってほしいと願う〕