渇きを癒す

プーチンは渇きを癒すだけだった
己の権勢欲を他国への支配欲へとすり替える
大量のミサイルと戦車を貨物列車に積み込み輸送する
ウクライナ東部周辺に強靱な軍事態勢を着々と整える
世界に向けて一触即発の地を演出する

親露派地域を独立国家にすると勝手に承認する
国連で非難を受けても一向に意に介さず
欧米の制裁発動など取るに足りない
日本の批判などは無に等しい
宣戦布告への臨戦態勢を強化してその時を待つ

ウクライナでは若い女性も銃の手ほどきを受けていた
首都キエフ市内に避難命令のサイレンが鳴り響く
開戦のきな臭い空気がまん延し市民を不安に陥れる

正義を訴える米国とEU(欧州連合)
その反対は不正義ではない
もう一つの正義でしかない
ロシアは圧倒的な軍事力で正義を誇示する
中国も追従可能なこのやり方にほくそ笑む
独裁者は己の渇きを癒す惨状を常に求める
国民は追従の屈辱と無益な死を宣告される

〔2022年2月23日書き下ろし。非道な指導者が己の欲望をほしいままにして。殺人鬼の正体を露わにする。ウクライナ危機はいまに始まったことではない。常にロシアの危機にさらされてきたのだ。傍観してきたのは誰か〕